よみもの
□ばいばい
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あるところに、特に美味しくもないパンが歩いてきました。
かぼちゃの人はパンが好きではなかったので、コーンスープと混ぜて飲み込んでしまいました。
パンは悲しんで、そして楽しそうに笑いました。
エビはそれがとても嬉しかったんだと思います。
コーンスープにされたコーンが恨めしそうにかぼちゃを見つめました。
彼はかぼちゃのパイになりたかったそうです。
あるところに、かぼちゃが大嫌いなおばさんがいました。
少女はかぼちゃがだいすきだったので、おばさんは特に美味しくもないスープになりました。
とくにおいしくもないスープは、とくにおいしくもないのでだれも飲みませんでした。
少女はスープを楽しそうに見つめます。
スープは腐っていきます。
何の色かも分からないそのスープは、段々と色が濁っていくそうです。
エビは少女に聞きました。
「次はどうする?」
少女は何も言わずに後ろを向いて歩き始めていきました。
エビはやれやれと首を振りながら、彼女のあとをついていきました。
次の日の晩ご飯には、エビのカルパッチョが出たそうです。
おしまい、おしまい?