I'm so not over you

□5.金髪男
4ページ/4ページ



「はぁ………総長、どこ行ったんすかねー………?」


机に項垂れてる龍


「アイス買ってこいって言ったの総長っすのにぃぃ」


『アイスを食べる総長って…お茶目な人ですね』


「おい、冷血女!総長を馬鹿にしちゃだめっすよ!総長はっすね、えっとっすねー…お茶目だけど喧嘩では最恐っすからね!」


お茶目なのは認めるんだね。



『ふふっ』


「な、何笑ってるんすか!?」


『いや、ちょっとね』


耐えろ…耐えるんだ私!
笑いを耐えろ!



「冷血女ぁ?」


『な、な、なに?』


「うんこ」


『………?』


「うんこみたいな顔っすね」


『シバくぞ』


「ぎゃははははは!うんこが怒ったー!」


私……こいつと気が合わないな。



「冷血女より、うんこが似合うっすよ!うんこうんこー!」


『うっさい、下水道に流れるうんこ!』


「んだと、うんこ!」


『うるさい!あんただって汚ないうんこだ!』


「二人とも汚いよ…」



呆れた目をしてこっちを見てくる金髪男


「君たちね、いつまでも小学生じゃないんだからさー…汚い言葉言うのやめようよ…?」


『金髪男は大人ですね』


「…………大人だけど?」


『ぁ、あ、ごめんなさいっ!』


「何で謝るの!?」


『いや………気にしないでください』



龍と同じように子供なんだと思ってた。なんて言えない…!





「こんばんわぁん」

突然、扉が開き、オネェ系の人が現れた


「あらあらぁ!見かけない顔ねぇ?」


『え゛っ』


まさか私に話しかけてくるとは思わなかった…。



「名前、何て言うのぉん?」


「うんこっすよ」


『はぁ!?』


「んもぅ!龍ちゃんったら!女の子に失礼でしょ!」


や、優しい人だ…!


「それで、うんこちゃん…」


え、うんこ………?
オカマさんは私に近づいてきて恐い顔で尋ねてきた。


「巧はアタシのダーリンなの、近づかないでちょうだいよ!」


『え、ホモ……』


「何言ってるのよアンタ!アタシは女よ!」



その顔で言われるとキツイな、



「姐さんそりゃキツイっすよ」


「何がぁん?」


「え、そのか、むぐっ」


龍は金髪男に口を塞がれ龍がモゴモゴしている。



「いやぁ、今日は何かご用で?」


と、金髪男が口を開いた。それを聞いていた龍は疑問が浮かん
でる顔で金髪男を見ていた。


「番ちゃんいるかしら?」


「いないよ?また後で来たらどう?」


「そうするわぁ…せっかく借りてたお金返そうと持ってきたのにぃ…」



ここは一体何なんだ…


「麗ちゃん」


『はい?』


「総長さんは多分帰ってくるの遅くなると思うから…うち行く?」


『行きます』


「ん、わかった。じゃあ車出しとくからちょっと待ってて。」


私は頷き椅子にもたれて脱力した。



「お前さ」


突然、龍が口を開きだした。



『……』


「巧さんの事好きだろ………」


『好きじゃない』


「だって巧さんの家で…一つ屋根の下で……うわあああ!やめろ!そんな破廉恥な事を!」


『何言ってんの……』


「とっ、とととにかく!巧さんを犯すなよ!」


『なっ!?何で私が犯すのよ!』


「巧さんは…お前みたいな子供に手は出さない………はず、多分。」


曖昧だなぁ……





すると、金髪男が部屋に入ってきた。


「じゃあ、行こっか」


『あ、はい』


「また明日っす!」

「またね」


金髪男は、龍に手を振って私を引き連れて下へ降りていった。





『おお、かっこいい車ですね』


「だってアメ車だもん」


この人、お金持ちなんだ……


「入らないの?」


『ぁ…入ります』



私と金髪男は車に乗った。


いい匂い………香水の匂い…


「ごめんねぇ、臭いでしょ?」


『いや、いい匂いです…』


「麗ちゃんはタバコの匂いが好きなんだね」


『えっ!?タバコなんですか!?』


「そうだよ?」


香水かと思ってた。


「あ、お腹空いた?」


『あ、ちょっとだけ』


「食べたいものとかある?」


『…………………ハンバーグ』


「あはは、子供みたいだね」


『笑わないでください……』


「ごめんごめん。まぁ、子供だもんね」

『れっきとした大人ですよ』


「高校生が?」


『……はい』


「じゃあ俺はなんなんだろう」


『…………おじさん』


「若いおじさんだな」


『ふふっ』



この人、面白いなぁ

私と金髪男は車の中でずっと会話していた。
やっぱり大人の男性って素敵……!とか思った。
三浦とは大違い。
あんなヤツ馬鹿なだけだ…


『金髪男は彼女いるの?』


「さぁ…?」


『教えてよ』


「やだ」


『ちぇっ』


いるっぽいなぁ…



「あれー…ファミレスないなぁ」


『別にハンバーグじゃなくてもいいですよ?』


「いや、俺が食べたい」


『…………子供』


「後で痛い目あわすよ」


『えっ…』


《犯すなよ》


一瞬、龍のあの言葉が脳内を横切った。


『………ごめんなさい』


「よくできたね」



完全に馬鹿にしてる……



『ねぇ。』


「…ん?」


『彼女いるの?』


「秘密」


『何で?』


「子供にはまだ早いよ」


『大人だから大丈夫』


「だーめ」


『…いるんでしょ?』


「だから秘密だって」


何でだよー…



「あ、やっとファミレス見つけた」


『ぉぉ…』


「ここでいい?」


『ん』


食べれたら何でもいいよ、




私と金髪男は車から降りてファミレスに入った









「いらっしゃいませ」


客を待っていた店員が来た

超笑顔……!




「喫煙空いてる?」


「ええ、空いてますよ」


「じゃあ案内よろしく」


何かファミレスの常連みたい…







_


そして案内された席へ座り、メニューを見る


「さ、好きなもの食べなよ」

『え、あ、はぃ...』

メニューには沢山のハンバーグが載ってあった

『あっ』


私が いいな って思ったのは
チーズが上にのっているハンバーグ


『こ、これ!これがいい!』


金髪男は私が指を指しているところを見てプッと笑った


「本当、子どもだね」

『へ?』

「チーズのってるやつとか...、お子ちゃま」

ムッとなった私はもう一回メニューを見直す


『じゃあ...サラダでいいです...』

「うそうそ、これでいいのね?」

『え、だってお子ちゃまって...』

「おちょくっただけ」

『ひどい!』


ハハッと笑った金髪男はとても可愛かった。

例えるなら 小動物

そして、笑った後に店員さんを呼び注文した。


『金髪男って...』

「ん...?」

『いや、何もないです』

「え、何だよ、気になるじゃん」

『いやー...だって...どうせ教えてくれなさそうだし...』

「教えてよ、ちゃんと言うからさ」

『じゃあ...』







『彼女いますか?』




「.......」



『ほら、教えてくんない』

すると、いきなり金髪男はニコッと笑い煙草を吸い始めた



「10年前にね」

『え...?』

「すげぇ大好きな奴ができたんだ」

『...はぁ』

「んでさ、そいつと付き合うことになってさ。」

『…』

「俺、めっちゃくちゃ大事にしたんだよ。そいつに他の男が来ないように目の前でイチャつきまくった。」

『そうなんですか』

「んで、二人で言ってたんだよ。ずっと永遠に二人で居ようなって」

『…』

「でもさ、そいつとは5年前に別れたんだ」

『え...?』

「そいつ、事故っちまってさ...」

え、別れたって...まさか


『亡くなったんです...か?』

「....うん」

『ぁ、ご、ごめんなさ』

「ん、いいよいいよ。もう過去の話だし...。
でも、そいつが目の前から消え去ったときから女はつくれねぇんだよ...」

『ぇ』

「また、俺の目の前から消えるんじゃないかって思うと...怖いんだ」

『……』

「....あーぁ、ムサイ話しちまったな!早くハンバーグこねーかな?」


金髪男は笑顔をつくってるのがわかる

泣きたいときは泣いていいのに


どうして...?


『辛くないの.......?』


金髪男は、ハッとした顔で私を見て下を向く


「辛いにきまってんじゃん」



_
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ