I'm so not over you

□5.金髪男
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ついた場所は……倉庫……?


『あのぉ…どこですか…?』


「俺たちの敷地っす!」


「ここにね、三浦くんのお兄ちゃんがいてるんだよ」


三浦のお兄さん…
どんな人なんだろ…


『それにしても…バイク多いですね…』


「そりゃ、俺たちは暴走族だからねぇ」


「毎晩、大通りとかを走り回るっす!楽しくてやべぇっすよ!」


『…へぇ』


「ちょっとちょっと!もうちょっと興味もってくれっすよ!」


『え、ごめん…正直驚いてる…』


「暴走族ってところが?」


『それもあるけど…三浦のお兄さん…暴走族なんだ…』


「そうだよ…総長だしね」


『えっ!?』


私たちは倉庫の階段を上りながら話をした


「総長はっすねー…怒ると超恐いっす」


『そりゃそうだと思いますよ?恐くない総長なんて総長じゃないですよ。』


「でも、総長じゃなくても恐い人いるっすよ?巧さんという人が」


「え、俺?俺怒ったことないよ?」


「えっ、超恐怖の塊じゃないっすか!」


『あっ』


「あっれー?あっきーじゃないっすか!」


『な、何で?』


「別に。桜木には関係ねぇよ。」


「相変わらず三浦くんは冷たいねぇ?麗ちゃんが可哀想だよ」


「何てめぇ親しく呼んでんだよ……」


「麗ちゃんが呼んでいいって言ったんだよ?悪い?」


ニコニコしてる金髪男
その反面、三浦は厳つくなっている
本当にこの二人は相性悪いな……


「んだよ、うぜぇ奴だな」


『ま、まぁまぁ』


「てか、言ったよな?こいつ等には近づくなって。」


『ぁ…えっと』


「俺の言うこと聞けねぇのか……?」


『…は?』


「お前がそんなんだったとは思わなかった」


『…それ』


「…あ?


『何それ……私はあんたの召し使いじゃない!』


私は自分でもわからず一人で頭にきていた。


『私はあんたの召し使いでも何でもない!あんたの言うことに一々従えないの!なのに、あんたは近づくな、近づくなって……うざい。』


「え?」


『もう……本当、うざい。』


「…悪かったって」


『触んないで。』


「……」


『暫くの間…あんたと関わりたくない……』


「そんなこと言っても…」


『私…この人と暫く暮らすから。心配しないで。』


私が掴んだ人、それが金髪男

龍は少々驚きながらも、ニコニコしてる。

三浦は相変わらず厳つくて龍と同じように驚いている。


だってここで頼れる人って金髪男しかいなくないか…?
大人だし、お金ありそうだし。

そして、金髪男は調子に乗ったのか

「へぇー…何だかんだ言っても…俺を選んでくれたんだー…?」


『大人だしね。ということで、さよなら三浦』



私は金髪男の服の袖を引っ張って階段を上った
その後に続き龍も急いで階段を上ってきた。











「ただいまっすー」


「あっれー?総長さんがいないなぁー?」


私たちは倉庫の中に入ると、総長さん…三浦のお兄さんが居なかった。

意外にも中は綺麗だった。ソファと、テレビ、キッチンなどもあり一般の家とさほど変わらない感じ



「せっかくアイス買ってきたのになぁ…。麗ちゃん、一本いる?」


『え、でも部外者の私が食べたら殴られるんじゃ……?』


「殴られないよ?」


『じゃあ、食べます』



丁度冷たいものが欲しかったしね。


そして私は金髪男から貰ったアイスを食べた



『うまっ』


「寒そうっす……」


『うん、寒いよ』


「じゃあ、断ればいいっすのにー…」


『冷たいものが欲しかったの』


「へぇー…そうなんすか」



興味無さそうに返事をする龍
興味なかったら聞かなくていいのでは…?
そう言ってやりたいけど、金髪男が怒ったら嫌なので我慢、我慢!


「そういやさ」


私がアイスを食べ終わると同時に、金髪男が口を開いた。



「住むって…どこに住むの?」


『金髪男の家ですよ?』


「えっ、冷血女っ!それは危ないっすよ!犯されますよ!」


「はいはい。龍はちょいと黙ろうか?」


「………」


『ダメですか?』


「んー…、そんなことよりさ、三浦くんをほっておいていいの?」


『…知らない』


「………あのねぇ」


『私はもう三浦なんて知りません。あんな奴…ほっとけばいい!………だから、金髪男…私を暫くの間住ませてもらえませんか?』


「やだ」


『何で!?』


「家が狭いから」


『いいです、そんなの気にしません!』


「一緒に寝ることになっちゃうよ?」


『えっ………いいです』


「よし、ならいいよ」


金髪男はニコニコして冷蔵庫を開け、ビールを取り出した。


『ほ、本当!?』


「…うん?」


『あ、ありがとうございます!』


「いえいえ。」



よかったぁ…これで寝泊まりはできる…


「巧さん…犯しちゃダメですよ」


「龍、後で覚えとけよ?」


「すすす、すみませんでしたー!」



謝るの早いなぁ。


「麗ちゃん、暫くの間よろしくねぇ」


ニコニコしてまた話しかけてくる。
この人、太陽みたいに眩しい。



『は、はい!』





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