I'll devote my body and soul to you.

□15.家庭崩壊
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ある日の晩、私は部活から帰ってくると、お父さんが台所で酔っ払って寝ていた。

私は、邪魔だなー…って思いながら自分の部屋にはいり、鞄をおろして、服を着替え台所へ出てきた。


『お父さん、邪魔!起きろ!』

「……」

私は何度も何度もこの光景を体験したことがる。

お父さんはいつも酔っ払ったら寝る癖がある。

そのため、お母さんと私は嫌気がさした。


『起きろー』

「………」

何度起こしても起きる気配はない。


するとテーブルに置いてあったお父さんの携帯が目に入った。


開きっぱなしの携帯。


気になる。


いいよね?少しだけ…


子供の好奇心もあってお父さんの携帯を見てしまった。


やっぱ携帯といえば、メールだよな


お父さんの携帯のEメールボックスを見てみると。


土居、という人とのメールのやりとりがあった。

私は、仕事の人かと思いながら一応受信メールを見てみた。


一番上にあったメールを開くと、土居って人の家の晩御飯が書いてあった。

『なんやこれ…』

他人の晩飯聞いて意味あんの?

二件目は意味がわからないメール。


”何がどうしたの?気になって寝られません。簡単にメールもらえませんか?”


嘘付け、絶対寝てるだろ。

というより、お父さん何を送ったんだ?


三件目は、ビックリした。


”沢山のフルーツをありがとう。美味しくいただきます。”


このメールのやりとりは私の誕生日の日。

五月二十四日。


『…これって、女…』

明らかにそうだ。メールの書き方といい女だ…


四件目は


”素敵なプレゼントありがとう。”


裏切られた。絶対に私とお母さんはこの男に裏切られたんだ。


五件目


”おはようございます。先日は色々とありがとう。よちよち歩きの人から良くしていただいて申し訳ないです。黒崎さんのお誕生日なのに何もしてあげれなくてすみません。今後も奥様、お子様と仲良く幸せに暮らしてくださいね。退職してすでに一年!速いですね。お互にいつまでも若々しく生活しましょう!今朝も足の筋肉、健在ですか?”


私は震え上がった。土居に一体何してんだ。
最低だこいつ。携帯は取ってたほうがいいよな…

お母さんに見せたほうがいい。

信じられない。今までいいお父さんを演じてたのか?

こんなの、お父さんじゃない。他人になりたい。


すると、玄関からお母さんの声がした。


「ただいまー」


お母さんは疲れきった声で言った。

お母さん疲れてるのに、言ってもいいのかな…

でも、大丈夫。お母さんなら大丈夫。


『お母さん…』


「あ、ただいまぁ。」


『お父さんが…うわ…き、してる』


「…え?」


『これ…』


お母さんに私が持っていたお父さんの携帯を渡した。


お母さんは冷静にそのメールを見ていた。


「まーちゃん。」


『な、何?』


「お母さん、どうしたいいんかな…?怒ったほうがいいんかな…?」


『うん。怒ったほうがいいよ。てか、別れたほうが』


「…しばらく、あいつの様子みてみよう」


『うん』


お母さんの顔が本気の顔になっていた。
見たことがないような顔。






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