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□resistance
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暗い部屋
灯りも無い部屋
扉はたった一つで
出る事はきっと容易い
俺独りしかいない
心音が酷く響いてた
少し肌寒い位がいい
本当の寒さから逃げて
暗闇でぼんやり見える
軽そうな重そうな扉
出る事はきっと容易い
それでも動かない
一度だけ見た朝
少し眩しすぎた光
焼かれた眼には闇しか
映りやしなかった

光も無い部屋
窓も何も無い部屋
たった一つの扉だけ
その先から聞こえた声
それがやけに響いて
心音が聞こえなくなる
耳を塞いで眼を閉じた
身体の冷さに気付いて
両手で膝を抱えた
重そうな軽そうな扉
開く事は本当に容易い
それが開けなかった
一度だけ見た朝
一度だけ聞いた声
それが欲しかったと
気付くのは遅すぎた

重そうな軽そうな扉
ここから出る事は容易い軽そうな重そうな扉
ここに戻る事は出来ない闇しかない部屋から
出る事は容易い
闇の中の部屋を
探すことは出来ない
重そうな軽そうな扉
たった一つの扉
それに閉ざされた部屋は闇に溶けているから
出る事は容易い
出たら二度と
戻れやしない
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