恋愛狂騒
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何処ともつかない、よく分からない部屋にいた。
誰もいなくなった何処かの仕事部屋だ。
その机の上に、紙やら紐やらを切るための刃物が見当たった。
震える手でそれを取る。
「なんで……」
カン!と床に突き立てた。
「なんでそんなこと…っ」
どうして。
どうして見合いなんて…。
刃を掴み、握りしめると指から血が垂れた。
――赤い。
「っ…」
涙が溢れてどうしようもなかった。
刃を左腕に這わす。
「僕が…」
深くなっていく傷。
血がボタボタと白い朝服に落ち、赤く染め上げた。
「僕がいけないんだ……僕がこんなだから…!!」
ザク、ザク。
限りなく刺し続けて、刺し続けて、貧血か、疲労か、何らかの原因で、ついに妹子は気を失っていた。
――こんな僕でごめんなさい、太子。
こんな僕で。
こんな事しか出来ない僕で。
*了*
アトガキ
太子が見合いだって!?
太子に嫁ってどうなんだ…!!
自分で自分の小説に突っ込みながら書いてます。
いいのだろうか、こんなことで…笑
妹子がすごく情緒不安定な感じですが、もうそろそろヤンデレ一本に落ち着いてくれないかなぁと思います←
次回こそは太子も登場する予定ですよ!笑