恋愛狂騒
□08
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太子の視線とか、声とか、もう全てが熱くて たまらない。
太子に触れたくて仕方がなくて、散々葛藤した結果、僕は顔を真っ赤にして、蚊の鳴くような声で ついにお願いした。
「太子、お願いです…。……ぎゅって、……ぎゅって…して下さい……っ」
8・交合
それだけやっとお願いすると、僕は恥ずかしくって仕方がないのでキュッと目を瞑って俯き、震えていた。
太子が少し動く度に聞こえる布擦れの音にビクビクと反応してしまう僕の身体。
ついにすぐそこに太子の腕があることを気配で感じ取ると、僕の心臓がドキドキと五月蝿く鳴って止まらなくなってしまった。
しかし いつまで経っても それ以上 近付いて来ない腕に、僕が不安を感じた時、
「っ…!かわいいっ…妹子…!!」
「なっ…!?」
そんな太子の声と共に勢い良い抱きしめられてしまった。
「あ…っ、あ、太子……っ…」
かわいいって、可愛いって言われた!?
いざ抱きしめられると恥ずかしくて混乱してしまったが、しばらくすると やっと落ち着いてきた。
太子の腕、胸、体温、呼吸。
(嗚呼、僕…太子に、太子に……!)
抱きしめられてる!
ぎゅって、強く、優しく……太子が僕を、抱きしめてくれてる…!
その快楽に酔いしれて、僕は思わず太子に甘えるように擦り寄る。
「太子……僕…っ」
すごく、幸せ…!
しばらくすると少しだけ距離が離れて、僕を見つめる太子と目が合う。
「妹子……口付けしてもいい?」
「えっ…?」
く………口付け!?
また一層カァッと熱くなる僕の全身。
男となんて初めてするし、女性とも数えるくらいしかしたことない…。
でも、いい。
太子なら、口付けしても…。
じっと太子を見つめ返すと、太子はそれを肯定と取ってくれたようで、ゆっくり顔を近付けてくる。
キスの味なんて、覚えてなかった。
最初は唇を合わせるだけの軽い口付けで、だったそれだけでも熱くて倒れそうだったのに、角度を変えて啄むようなキスを落とされて、気付いたら床に押し倒されて深いところまで犯されていた。
「はっ…ぁ、太子…っ」
駄目だ。
「もうっ…もう、だめですっ…」
これ以上されたら…。
唇を庇っても、太子は額や頬などの他の場所に唇を落としてくる。
何だろう…コレって年の功なのか?
僕はディープキスまではしたことがないから基準がよく分からないけど、太子は多分、ものすごく巧いと思う。
「妹子…まだ足りないんだけど……」
「やっ…やですよ…っ。もうこれ以上したら、僕…っ」
恥ずかしくて顔が熱くなり、涙が滲む。
自然と息が荒くなって……僕のカラダは従順に反応を示していた。
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