恋愛狂騒

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次の日、目の赤さ以外は ようやく調子を取り戻した僕は、なんとか職場に出て仕事をこなしていた。

どうにも目の真下辺りが熱いし腫れぼったくて気になるので、つい何度も目を擦ってしまう。

そんな調子で、僕の仕事の速度はいつもより格段に落ちていた。

…上官の厳しい視線が痛い。

今 目を擦っていたのを最後にしようと張り切って筆を握り直し、書類に向かった時だった。


「妹子殿、妹子殿はいるかね」


反射的に顔を上げると、僕を睨んでいた上官が、その更に上官である馬子様を見て慌てて背筋を伸ばしていた。

そして僕を指す。


「あちらです」


僕は筆を置いて立ち上がった。


「おはようございます、馬子様…」

「ああ。妹子殿、忙しい所にすまないが、頼まれてはくれないかね?」

「え?…何をです?」


すると馬子様は驚いたように顔を顰める。


「いつも頼んでいるだろう?決まっているじゃないか。太子だよ」

「!」


その名前を聞いた途端、戦慄が走った。

僕は無理に笑いながら渇いた声で訊ねる。


「た…太子ですか…?どうして僕なんかに…」

「太子は基本的に君の言うことしか聞かないだろう。まあ、聞いてるとは言い難いが…太子が塞ぎ込んでいるようだから叱咤してやってくれ。君が適任じゃないか」


僕が、適任?

その仕事部屋中の役人達が呆然と見守る中で、僕は拳を握りしめた。


「かっ…勝手なこと言わないで下さい!なんで僕が太子なんか…っ」

「妹子殿…?」


馬子様の訝るような声に、僕はひっくり返る声で泣き叫んだ。


「もう二度と僕を呼ばないで欲しいと太子に言付けましたが、お聞きになっていませんか!?僕に太子を叱る資格なんて、ないじゃないですか…ッ!」

「しかし…」

「お願いです、もう僕を呼ばないで下さい…!」


太子は こんな冷たい僕のことなんか、大嫌いなんだよ!!



目を閉じ、耳を塞いで懇願する僕の耳に、馬子様の大きな声が聞こえてきた。

それはそれは残酷な……もうすでにズタボロになった僕を更に痛めつける、


「妹子殿。上官命令だ」


追い討ちだった。





*了*






アトガキ


あれ…これってヤンデレ小説ですよね??(聞くな)

すみません…!!

まだまだヤンデレ化しません引っ張りすぎですよねアホか俺は!!orz

だんだん自分で不安になってきたんですが!笑



【2008/08/03】

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