ボカロ日和
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「うーん…曲作るのも難しいなぁ…」
「そうなんでしょうね」
「………鬼男くんセーラー服着てみてくれない?」
「曲を作るのが難しいって話題の何処をどうしたらそんな話になるんだよ変態イカ野郎!!」
「変態イカ野郎!?野郎って、野郎っておま…っ!」
つい最近、晴れてボーカロイド06鬼男のマスターとなった閻魔は、忙しい日常の合間をぬってはよく鬼男を構っていた。
「大体なんでセーラー服なんですか?アンタ変態なんですか?」
「ち、違う!この世の中にはナース服やウサミミにぐっと来る人がいるように、俺もセーラー服を見てると何かがたぎるってことに高一の春に気が付いただけで…」
「完璧変態じゃねえか!!」
閻魔は度々鬼男に話しかけてはコミュニケーションを図るのだが、当の鬼男はツンケンしているばかりで一向に鬼デレ(前輪参照)のデレの部分を見せてはくれない。
(あんまりホイホイ見せても値打ちがなくなるんだろうけど……まあいっか。とにかく今の目的は鬼男くんにセーラー服を着てもらうことだ、うん!!)
「何決意の眼差しで拳なんざ握ってんですか。また下らないこと考えてんじゃないだろうな…」
「鬼男くん、歌ってもらう曲だけど!!」
閻魔は唐突に机をパンパン叩くと鬼男の注意を引き付けた。
「もってけ!●ーラー服とセー●ー服を脱がさないで、どっちがいい!?」
「伏せ字したって丸々分かってんだよこのセーラーイカ!!お前結局セーラーか!?ていうか後者懐かしいなオイ!!」
「セーラーイカ!?俺はセーラー服着たりなんかしてないぞ!ていうかボーカロイドの君に懐かしいとかそういう感覚あるんだ!?」
やっぱり何を言っても鬼男は怒る。(セーラー服のことばっかり言っている自分に閻魔は気付いていない)
閻魔は弱りきって息を吐いた。
「鬼男くんったらワガママ王子だな…」
「何だそのネーミング…王子って…」
「大体、セーラー服の何処がいけないんだ?あんなにヒラヒラしてて可愛いのに。鬼男くんが着たら絶対可愛いのに…」
「僕に可愛さを求めるな!」
鬼男のその言葉に閻魔が立ち上がった。
「何をぅ!?他の男ボーカロイドだって基本イケメンだけどな!結局は色々やらされて可愛くなったりするんだぞ!ボーカロイドは仕事選んじゃダメなんだからな!?」
「そんなのマスターがみんな変態だからだろ!!絶ーーッ対に!セーラー服なんか着ねえ!」
「くっ…人間みな変態なんだぞ…!なんかそんな本もあったし…!」
腕を組んでツーンとそっぽを向く鬼男に閻魔は困り果てた。
(なんて言うか…俺、全然マスターとして慕われてない?)
自業自得だとは思ってないらしい。
(ボーカロイドってもっとこう、「マスター大好きー!」的な感じだと思ってたんだけど…!)
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