SIRENSHORT
□Geburtstag Feiern
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「いろはちゃん、次はあっちの患者さん看てきてー!」
「はい、今行きまーす!」
ここは羽生蛇村唯一の医療施設、宮田医院。
そして私はそこに勤める看護士。
ドが付くほど田舎であるこの村は、お爺ちゃんやお婆ちゃんが多くて、風邪だの腰痛だのと言って しょっちゅう体を悪くするので医院は大忙しである。
その証拠に、私はここ3、4週間ぶっ続けで医院に出ていた。
「いろはちゃん、明日だけど、また出られる?」
「うっ……出られます…。先輩は出るんですか?」
「ううん、私は出なくていいみたい」
「そ、そうなんですか…」
私はまだまだ新人の身で、先輩に言われると断れない。
そもそも先輩だってそんなに忙しくないのに、なんで私だけこんなにコキ使われてるの!?
新人だから?
「はぁ……私だってたまにはゆっくり休みたいのに…」
休憩時間。
私はホッと一息吐きながら、休憩室の壁に貼られたカレンダーを見ていた。
実は来週の日曜が私の誕生日。
「このままだと、来週もフル出勤かなぁ…」
でも自分の誕生日ぐらい休みたい!
日曜日だし!
最近の私、頑張ったよね?
「来週の日曜くらい、休ませてもらったって、バチは当たらないよね…?」
よし、思い立ったが吉日!
今日の仕事終わり、院長に直談判しに行こう!!
「それでは今日の診察はここまで!」
婦長の合図と共に、先輩達が書類の整理、薬の管理など色んな作業に移る。
私は新人の下っ端なので掃除が主な仕事だ。
私は急いで自分の仕事を終わらせると、まだ院長室にいるであろう宮田先生の元へと走った。
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