SIRENSHORT

□男ですからU
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「あっ、牧野さん見つけた!」


偶然なのか故意なのかは知らないが、宮田とはぐれてしまっていたいろはは廃屋に倒れている牧野を見つけた。

捲れたり沈んだりとガタガタに崩壊した畳の和室を浸す赤い水に、牧野は両足を浸からせて ぐったりしている。


「…足湯?」


こんな物騒な足湯があってたまるかと思い、いろはは牧野の腕を掴んで畳の上に引きずりあげる。


「うーん…八尾さん、どうして……?」

「誠に残念だけど、私は八尾さんじゃなくて奥山いろは!ほら、起きて起きて!」

「!…いろはさん、何故ここに?」

「そこに牧野さんがいるから?」

「そ、そんなそこに山があるからみたいな…」

「ここは危ないよ?一緒に逃げよう?」


牧野を立たせたはいいが、一歩踏み出した瞬間に畳がグラリと傾いた。


「うわぁっ!?」

「牧野さん!?」


慌てて牧野の身体を支えて溜め息を吐く。


「このヘタレが…」

「…いろはさん、今何か…」

「いいえ、ここは足場が不安定だから気を付けてって言ったんですよ?」

「でも、そんなふうには…」

「もーっ!いいから行きますよッ!…あっ、こんなところに手頃な靴べらが」

「くつべらですか!?」

「こんなものでも突きを駆使すれば半屍人ぐらいは…」

「いろはさんは すごいですね…尊敬します……」

「求導師に尊敬される小娘の私…」


私ってなんてすごいの?

いや、単に求導師さまのレベルが低いだけなんだけど…。


「牧野さん、女の子みたい」

「!?」


なんとなく そう思ったのでズバッと言ってみたら、牧野さんはショックを受けたように俯いてしまった。


「ど…努力は…します。私は男ですよ…」

「はあ……」


急に決意したような表情になった牧野がこちらを向いて わりと強い力でいろはの肩を掴んだ。


「いつかいろはさんと子を成せるよう、頑張ります!!」



「………はぁあ!?」





性格正反対のくせして結局は所詮双子かよ!!



そうこうしているうちに屍人がやってきて、いろはは試しに牧野に戦わせてみたが やはり無理だった。



*了*



アトガキ

牧野さんはそんな恐ろしいこと言いませんよね申し訳ありません!!笑

グダグダなお話でしたが書いてる私は結構楽しかったですwww

牧野さん夢、また書きたいです^^笑

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