SIRENSHORT

□Sickness of Love
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ここは羽生蛇村唯一の医療施設、宮田医院。

「ギックリ腰が酷くてのぅ……」
「またですか…。もう年だから過度な農作業は控えろとあれだけ言ったはずですが」

その院長・宮田司郎は、今日もカルテを手にバッサバッサと冷たく患者を裁いていた。
患者の大半が年寄りなので、ボケかけた彼らを相手にペースを合わせていては体がもたない。

湿布など適当なものを出して送り出す。

「はぁ……次、どうぞ」

溜め息混じりに言うと診察室の扉が開いた。
その先の患者の姿が見えたとき、宮田は少し彼女を注視してしまった。

若くて可愛らしい女の子だ。

「今日はどうしましたか」

小さくお辞儀をして椅子に座った美少女は、頬を染めつつ病状を申告した。



「恋の……病なんです……」
「………」



その瞬間宮田は少しでもこの少女を可憐だと思ったことを全力で後悔した。
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