Replica*Doll
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おや、と楽しそうな反応を示すジェイドを無視し、ルークの顎に手を添えた。
まだ虚ろな眼でこちらを不思議そうに見るルーク。
…良心が痛む。
(意思が覚醒していきなり野郎とキスなんて御免だろうな…)
かく言うこちらは内心嬉しかったりする。
(いくらルークが可愛いからって不謹慎だ…不謹慎だ、俺!)
それでもそうしなければルークは生きていけないのだから。
ぐっと、ルークを抱き寄せて唇を近付ける。
そしてもうすぐ触れ合う距離まで来て、ガイが目を閉じかけた…その時。
「ああ、点滴がありましたね!」
「ブッッ!!?」
思わず水を吹いた…ああ、虹が。
「だっ旦那!そういうことは先に言ってくれ!」
「いや〜すみません、私もそろそろ年なので物忘れが激しいみたいです。…おやおや、ガイ、顔が赤いですよ?ルークの顔が水浸しですから早いとこ拭いてあげて下さい」
「誰のせいだと思ってる…?」
「さあ、誰でしょうね?はい、タオルですよ〜」
「………」
呆れかえった目でジェイドを見て、今しがたルークの顔に吐き出した水を拭く。
その間も相変わらずルークは不思議そうにこちらを見たままだ。