OTHERSHORT

□悪夢のあとの甘い夢
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夜のスラム街に蔓延る悪魔達。
干からびた固い腕が、いろはの四肢を捕まえて逃がしてくれなかった。

『スパーダの息子よ、無様な姿だ…人間如きに心を奪われかように容易く敗れるか…』

不気味な悪魔達の笑い声に背筋が凍る。
残酷な包囲のその中心で、悪魔も泣き出すと謳われたデビルハンターが剣を支えにして息も絶え絶えに立っていた。

『愚かだな。かの有名な半人半魔は予想を遥かに超えて弱かった…』

勝手なことを言うんじゃない。

そう叫びたかったのに、嗚咽が激しくて声が出ない。

容赦なく振り降ろされた悪魔の鎌が彼の背中に突き刺さった。

「――ッ!!」

声にならぬ叫びに声にならぬ泣き声。

何度も繰り返される怒涛の斬撃の下で、彼は地を這いながら血に濡れたアイスブルーの瞳でこちらを見上げた。

「…いろは…」

小さく掠れた声がする。

弱々しく伸びる手は、いろはに到底届かないまま痙攣していた。

「あ…あぁ…ッ」

地面に広がってゆくハーフの血。





「…悪…い……護って…やれ…な……」





――ザン…ッ!!!





「ダンテエエエエェェェッ!!!」
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