すぺしゃるめにゅう【捧げ物】

□春来たる
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「政略結婚ならそれは反対しますけれど。
ヨーデルが愛しいと思っての事なら、
そんな事ありませんのに…」
ちょっと唇を尖らせてんのが、
すげー可愛い。
ってか結婚の話聞いてからずっと、
天然陛下の話しかしてねえのな。
ちょっとヘコむ。
……まあ。それをきっかけにして“やらかそう”としてる俺が、
言えた事じゃないかも知れないが。

「でもホント意外だったよね」
リボンを巻く手を止めて、
ふと気が付いた様にカロルが言った。
「あら、どうしたのかしら?」
「アンタさっきまで『いいなぁ』とかって、
大はしゃぎだったじゃない」
「うん、そうなんだけどさ…」
ヤな予感。
ジュディも察知したのか、
カロルの後ろにそっと回り込む。
「僕、先に結婚するのはエス…!」
パッと口を塞がれたカロルがうーうー言うのを、ジュディは押さえ込む。
「あら嫌だわ首領、どうしたの大丈夫?」
心配そうに言う言葉が白々しい。
てかあれ力尽くだぞ、大丈夫か?
あ、落ちた。
リタがグッと親指を立てた。
カロル…、空気読めよ。
俺が不甲斐ないのも甲斐性無いのも分かってるが、本人の前では言わないもんだ。
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