ぷれみあむめにゅう【頂き物】
□繋いだこの手、二度と離さない
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§Prologue§
生涯忘れることの出来ない、あの旅の終わりから数年。
月日を重ね重ねて、いつしか少女から娘へと成長した彼女に、これまでずっと抱き続けてきた感情を総て吐き出した。
――ずっと、側にいてはくれないか、と。
それは、単なる『仲間』という言葉ではとても足りない。
『恋人』という言葉でも届かない。
互いに愛する心がなければ成り立たない、特別な関係。
そうやって差し出した手を、彼女は迷わず取ってくれた。
――絶対に、離さないでくださいね
と、はにかみながら。そして瞳には、涙を浮かべて。
オレ達は、新しくここから始まるんだ。
ささやかだけど、仲間内だけで式も挙げて、これからどうしたいかと問えば、彼女は柔らかく微笑んで――
――少しでいいからあの時のような旅がしたいです
…だとさ。
だからオレ達は、また世界を巡る旅へと向かう――。