その瞳にひかりを
□第三話−刻の間−
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光に包まれたあとは、記憶がない。
ただ、いつの間にか、真っ暗な空間にひとり、立っているだけだった。
何もない「無」の空間。
歩いてみても先がない。先すら見えない。道すらない。
本当に、なにもない。
ここはどこだ?――わからない。
自分は今、どこにいる?――わからない。
どこに立っている?――わからない。
どこを歩いている?――わからない。
私は、誰だ?――……わからない……。
自分のことがわからない。自分が誰なのかわからない。自分が生きているのか死んでいるのかわからない。自分の存在がわからない。
存在とはなんだ?
生死とはなんだ?
自分とはなんだ?
なにも……わからない。
こわい、怖い、恐い、コワイ。
わからないことがこわい。
なにもないことがこわい。
じぶんが…こわい。
助けて、誰か助けて。
誰でもいいから、助けて。
ここから、出して――
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