夢小説


□いつも通りのぼくら
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「聞いているのかこの馬鹿者」



ぽこんと可愛らしい音が聞こえそうな軽い拳骨が頭に落ちた
いつものようにへらりと笑えば彼は呆れた顔して一緒に笑ってくれた


「お前は危なっかしいんだ、無理だけはするなよ」


なでなでと優しく撫でる彼の手は優しくて
少し猫の気持ちが分かった気がする

ごめんなさい
次は気を付ける

そう謝れば彼は簡単に許してくれる






はずもない。







「せいっ」
「ぎゃ!」

いきなりクォークは可憐で尚且つか弱い私の腰に向かって
全身全霊をこめたタックルをかましてきた

な、なかなかやるわね…なんて軽いジョークも言えない
痛いわ、めちゃ痛いわ!

「だから謝ってるじゃないですかぁーーー!!」

ごめんなさいって言ったぁ!
半ば逆ギレのように腰に巻き付くクォークに言えば
彼はただニタリと笑うだけだった。

巻き付いた腕は片腕となり少し楽にはなったが
引き締め度がやばい。

いだだだだ
色気がないだとか可愛らしくだとか
もうそんなの考える余裕もないよ


痛いよクォーク


けれど口は開かない

引き締める腕とは反対に頬を撫でる手が


私を見る彼の瞳が


倒された体を包み込むベットが




私の脳を溶かしていくのだ




「ここは確か」
「これは前に」
「この傷はまだ」
「もう少しでなおりそうだ」


セイレンとの稽古やめったにしない料理。
任務や子供達と遊んだ時の傷や痣を


少し固い、けれど優しい唇で

ごつごつした大きな手で


壊れないようにそっと大事に触ってゆく


たまにいっそ任務から外してしまおうかとか
部屋から出さないでおこうかだとか
ぶつくさ呟きながら、ゆっくり。


そんなことをされれば申し訳ないとも思うし



愛しいとも感じる




生傷がたえない私を心配してくれる愛しい彼。



ごめんなさい



低く零れた言葉はちゃんとクォークに伝わったようだ

「分かればいいんだ」

子供を寝かすようにちゅ、とおでこにキス
そのままぎゅぅううううーと抱き締められた

ぶわわっと淡い、気持ちのいい痺れが体を走った。

罪悪感のような反省した気持ちは一緒に走って消えてった

今ある気持ちは


好き

ごめんね

でも全部

全部、




「俺のため…だろ?」


それだから怒れないんだ

ため息と一緒にぐいぐいと顔が近づいて



じょりじょりじょりじょり




「いで、いでででで」
「これで許してやろう」

誰ださっきわかればいいとかいったの!!!!

根にもってやがる
このやろうと思いつつも


「ふふふ」
「ほう、まだ懲りないらしいな」
「ちょ、そういう意味じゃnだだだだ!!いだい!!!」
「おらおら」


確実に楽しみだしたクォークに少し苛立ちつつも

なぜだか込み上げてくる笑いのおかげでイライラはせずにすんだ



ピタリと止んだ攻撃にヒリヒリした頬は歓喜したけれど、

いきなり止んだのでどうしたもかとホールド状態のまま見上げれば


「クォーク…」
「なんだ」

「…それは、」


少し眉を寄せてくしゃりと笑うクォーク

いつもいつも彼は



「…愛してる」




愛を囁く時とてもやらしく愛らしい顔をするのだ



「そのコンビは…反則だ」


ゆで上がり状態の私を見てまたニタリと笑うクォーク
ああ、もう、やだ、かっこいい、ばかやろー


「今日はいい天気だな」


強い抱擁がゆっくりとほどかれて
お互い向き合いながらベットに倒れているので
片腕を拝借して腕枕を作れば空いていた片腕が私の腰にまわった


「そうね、確かにいい天気ですね」


暖かい光りがふわふわとクォークの背中にあたって
後光がさすクォーク自体あったかそうだ

ぎゅっと私もクォークを抱き締めれば





「たまには昼寝もいいもんだ」





唇にふにっと当たった彼の唇。

すこしかさついてる

ぺろりと舐めれば




むぎゅうううううううううと抱き締められた












(お前は!どうして!そう!ああもう!)
(ぎゃああ今度こそあああむり軋んでる!骨がああ!)



――――――――――――――−-

ばかっぷるなんです

いつもこうなんです

こまってるんです


by傭兵団

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