夢小説


□絶愛零度。
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※ジャッカルの過去話アリ
若干ホラー気味



















ずっと好きで大好きで。

思いを吐き出したかったけれど、彼の過去を聞いた時にそれを飲み込んだ。

なのに彼は私にペンダントを渡しながら言った。

『そんな俺でいいならこの先もずっといてくれないか。』

氷を扱う彼の腕は酷く温かくて、頷くことしか出来なかった。

その後もいつもみたいに話したり笑い合ったり、夜は二人で抜け出して歩きながらキスをしたりした。

幸せで死にそうだった。



そして今日も任務を頼まれてジャッカルとユーリス、セイレンと出掛けた。

みんなでリザード退治していた時に私は罠によって足を怪我をしてしまった。

ジャッカルがすぐ来てくれてうれしかった。
私が死ぬんじゃないかと思うほどジャッカルは悲しみと絶望の顔で応急処置をしてくれて笑いが込み上げてしまった。

そんなに痛くないから大丈夫だよ

笑って答えたら苦笑された。
心配性だな。ジャッカル。

「足は大丈夫か?」

夜にこっそり様子を見に来てくれた。
その足じゃ、今日は出れないな。
また苦笑したジャッカルだが私は無理矢理足を動かして立ち上がった。

「大丈夫。行こうっ」

笑い返せばジャッカルは無邪気に笑って手を握ってくれた。

嬉しかったのかな。
ちょっと痛かった。

外を出ればジャッカルは嬉しそうに走る。

足が痛むけどジャッカルの顔がすごく可愛いくて我慢して着いていく。

どこにいくの?
内緒。

にこにこ笑うジャッカルは私に振り向かずに答える。
足はだいぶ痛くなってきた。

暗い路地裏のような場所をずっと走る。
ジャッカルは容赦なく手を引っ張るから、赤い細い道が路地裏に続いた。

「俺、好きになった女がみんな死ぬって言ったよなっ」

息を切らすジャッカルは相変わらず嬉しそう。
ずるずると私をひこずる彼から異変を感じる。

「みんな…みんな、俺の目の前で死ぬんだ」

目を細めて過去を懐かしむジャッカル。
手は今を離さないように握りしめる。

「だからさぁ…俺、びびっちゃってさ」

感覚のない下半身はジャッカルの進む道の反対を示すように赤い道をただただ作る。


「決めたんだ。」


ぴたり、と止まるジャッカル。
振り向くジャッカルはまだ、笑顔。

片手にはジャッカルの愛用している、



「殺しちゃえばいいんだ…って」



握られた手を引かれて壁に背中がぶつかれば張り付けられるようにお腹に刺された剣。

声を出す前に口はジャッカルの口で塞がれてしまい、もう意味がわからない。

愛しいキスなはずなのに刺さる愛は恐怖でいっぱいだった。


「怖いんだよ…もう、目の前で死なれるのはごめんだ…」


息さえままならない荒いキス。



「好きなんだ…愛してるから…殺させてくれ。」


首を絞める彼の腕は酷く冷たくて、頷くことしか出来なかった。

その後もいつもみたいに話してくれたり笑笑ってくれたり、夜に一人で抜け出して同じペンダントを二つぶら下げて歩く。




幸せすぎて死んじゃった。





(好き好き好き好き。)

(愛してるんだ。)

(大事にするよ。)

(大事に、食べるから。)



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

…も、申し訳ありません。

ずっと考えていたネタですスイマセン。

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