夢小説


□ただ君と一緒に。
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可愛い可愛い僕の彼女はみんなから好かれてて、みんなから愛されている。

そんな彼女が僕と恋愛してる。

そう思うだけで顔に熱がこもった。
みんなとお喋りしている彼女を横目に本に集中しようと目を本に戻そうとすれば、いきなり首に誰かの腕がぐるりとまきついた。

…このむだにある筋肉の腕はあの金髪に違いない。

本に目を向けたまま何食わぬ口調で僕はジャッカルに問い掛けた。

「何?」

ジャッカルの顔は見えないけどたぶんニヤニヤしている。いや、絶対。

「ずいぶんお熱い目線で愛しい彼女見てたじゃねぇの。」

ジャッカルがまとっているお酒の匂いで酔っていることが分かる。
酔っ払いなんかセイレンで十分だ。

それにしても何故バレた。
そんなに僕は彼女を見ていたんだろうか。
確かによく見ればやっぱ可愛かったり、笑う時に頬がピンクになって可愛いとか見てくれないかなーとかは思ったがそんなに熱い目線で見ていたのか。

「ユーリスだけじゃないんだぞー?」

いつもと違った少し高い声でエルザまでもが僕の首に腕を回す。

ちょ、重いんだけど

ユーリスだけじゃない。

その言葉に少し焦った。
彼女はみんなから愛されている。

クォークは娘のように
マナミアやセイレンは妹のように
ジャッカルやエルザだってそういう意味で愛していると思った。

「告白は…ユーリスからじゃなかったんだよね?」

お酒を飲みながら僕を伺うように見るエルザ。
酔っ払ってはないようだ。目が、鋭い。

確かに告白は彼女からであった。
赤い顔を俯いて隠し、もじもじしながら好きだと言われて襲いそうになったのを覚えている。

嬉しさが込み上げで出た言葉が

「じゃあ付き合う?」

自分を焼き殺したかった。


「そのうち誰かにとられるぞ〜?」

ニヤニヤ顔のままのジャッカルがさらに近付く。
ちらりとエルザを見ながら。

「例えば…俺、とか?」

あはっと笑いながらエルザは宣告した。
これは挑戦状なのか。
とりあえずそろそろ首が死亡フラグを立てている。

今日一度も読んでいない本を閉じてジャッカルとエルザの腕をとりはらう。

この二人が酔っ払っているとしたら、

ワイワイ騒がし方へ振り向けば案の定。
彼女の顔は真っ赤で片手にはお酒。
…待て、彼女はまだ未成年だったはず。

ケタケタ笑いながら酒をがぶ飲みするセイレン。

フフフと笑いながら大量の食べ物を食べているマナミア。

クォークは…テーブルに倒れ込んでいる。
酒を抱えて。

「…いい大人が何やってんのさ。」

ため息をつきながら彼女に近付く。
気付いてくれたのかぱたぱたと駆け付けてくれた。

腰にぎゅと抱き着かれ、飲んでない僕の顔も真っ赤になった。

「な、ななななっなっっなぁああ!!!!!」

こんな積極的な彼女は初めてで取り乱してしまう。
こら、顔をぐりぐりするな、可愛すぎるからっ

セイレンやジャッカルは冷やかしでヒューヒューとか言ってくる。
彼女がばっと僕を見たと思えば。

彼女の目には涙があった。

意味はまったく分からなかったが彼女の腕を掴み酒場を出た。







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