夢小説


□カタルシス事情。
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※切ない感じ
















ねぇ、クォーク

兎は寂しいと、死んでしまうんだって。


ねぇ…クォーク。

麻薬中毒者は、ずっと麻薬を吸わなきゃ禁断症状が出ちゃうんだよ?









最近クォークの様子がおかしい。

それは恋人の私だけしか分からないような微かな違い。

あのエルザでさえ気付かない。
まぁあの子は鈍感だしな。

クォークはなにかと出かける。
帰ればエルザの手を見たり、剣を磨いたり。
部屋に戻って一人でこそこそやったり。


いつも一人で出掛けて。
エルザや剣ばっかり見て。
…大の男がこっそこそやりやがって。


そんな気分のまま、私とマナミアとセイレンとジャッカルで材料調達へ。

この苛立ちをリザードにぶつけようと思った矢先に私は罠にはまり、頭と足を大怪我しました。

クォークのせいだ。
最近ずっとずっとクォークだけしか考えてない。
だけどきっと彼は私なんかどいでもいいんだ。
だって彼の目には私は写ってない。
彼の瞳の奥は昔にしまっていたものが溢れ出し、燃えていた。


ガンガンするし、ジンジンする。

なのにみんなの声は聞こえなくて

痛みだけが私を動かした。

嫉妬かな。
どうでもいいや。

帰ったら今日は話せるかな。

怪我したんだ

なんて言えば、

馬鹿野郎

っていって怒ってほしい。


足は自然と走りだした。
私はその勢いのまま腕を振り上げ
リザードの群れに飛び込んだ。








「この…ッ」

酒場の二階で四人はクォークの前で正座をしながら今回の出来事を話し出した。

まずセイレン。
私が走りだした途端に彼女もテンションが上がり、防御無視状態で暴れだした。
しばらくお酒禁止らしい。

そしてジャッカル。
魔法援護をマナミアにまかせてセイレンの背後を守っていた。だがキレてブリザードを狭い通路でするからみんなスリップ。
しばらく外出禁止だって。

さらにマナミア。
まかされたのでヒールをうってくれるのだがまったくサークルに気付かない私達に嫌気がさしてフォレスト連打。
しばらく大量飲食禁止っぽい。

最後に私。
ヒールがそこにあるのを無視して突っ込み、みんなを危険にさらしボロボロのまま帰宅。


「お前は…」


しばらく武器没収。


それだと発散が出来ない。
それだと何もすることがない。
それだと…

クォークの役に立てない。

これだけしか出来ないのに。


私の与えられた罰は以外に心に重く、さっきまでぶーぶー言っていた三人が心情を察してか、静かに一階へ降りていった。

クォークもこれでおとなしくなったと思ったのかそのまま部屋へ戻った。

私は動かなかった。
否、動けなかった。

クォークはどこまで私に我慢をさせる気なんだ。

かまってくれない。
触らせてくれない。
話すことさえあまりない。

なんだ私はもう用済み?

今まで我慢していたものが零れ出している感じがした。


重傷の足で男部屋の扉を蹴り放った。


痛む足は的確にクォークの元へ。



クォークはため息をついた。
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