short
□Telephone
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Telephone
喧嘩をして3週間。
もうとうに喧嘩の理由も忘れた頃だというのに、銀時と土方は仲直り出来ずにいた。
お互い意地の張り合いで、くだらないプライドが邪魔をする。
しかし銀時は土方からの連絡を待っていた。
いつもは、アイツが折れて謝ってくれんのに……
もう3週間も経つ……
向こうから謝ってくることに優越感を感じるとともに、それだけ愛されているんだということを教えられる。
喧嘩のあとの、甘く、うざったいくらいベタベタするセックスも、銀時は好きだった。
「くっそ、…わぁーっよ!たまには俺が謝ればいいんだろっ」
銀時は緊張して振るえる手を知らんぷりして、しぶしぶ電話の受話器を取った。
プルルルル――――
『――もしもし』
「…ぁ、土、方?」
声が振るえたのがよくわかった。受話器を持つ手は汗でびっちょりと濡れていた。
『……何か用か?』
「あ、えーと、用っていうか、」
『なんもねぇんなら切るぞ。――じゃあな』
「えっ、」
プッ、プー、プー、プー…
「……なんだ、今の」
まるで土方に拒絶されたようだ。――いや、実際に拒絶されてしまった。今までこんなことなかったのに。
「でも、声聞けた―――」
しかしそれでも、機嫌が悪くとも返事を返してくれたことが嬉しかった。銀時は心なしかホッとしていた。
「………ちょっとだけ、」
銀時は3週間、全くセックスをしていない。
毎日のように土方に抱かれていた身体は、3週間も放っておかれて限界だった。
先ほどの土方の声を思い出し、そろりと寝着のすそを割り、自身を握った―――――