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□WANT
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WANT





「なぁ、まだ終わんねぇの?」

「ちょっと待ってろ。ちゃんと甘味処連れてってやっから」

今俺は土方の部屋でごろんと横になり、この仕事バカを待っている最中。
珍しく会いたいなぁなんて思って電話してみると、仕事が忙しいから行けないとか言われて。
仕方なく俺が屯所まで出向いてやったというわけだ。
しかし、土方の中には会いたい=甘味処連れてけという方程式があるようで、俺の真意には気付かずせっせと書類を片している。

わかってないなぁ。
そういうんじゃないんだよ。

そりゃ実際に甘味処目当ての日もあるけど、今日の俺はただ土方に会いたくて、構ってほしくてここまで来たんだ。
土方が仕事ばっかりしてたら意味がないんだよ。

「ひじかたー、まだー?」

「まだだっつってんだろ。うるせぇな。大人しく待ってろ」

あ、怒ったよ俺。
銀さん怒っちゃったよ。
会いたくて来たのになんでそんな言い方されなきゃなんねぇの。

「……土方のバーカ」

「うるせぇぇぇ!だから待ってろって言っ………ん!?」


ぶちゅう


お、すごい音した。
土方があんまりにもむかつく物言いをしたので、濃厚なちゅーをくれてやった。
上唇と下唇を舐め、隙間から舌を押し込む。煙草の苦い味と匂いが広がり、体に染み込んでいくようだった。
ビックリして固まっていた土方が舌を入れたことで復活し、簡単に主導権を奪われる。

やっぱ俺、土方のキスがいい。

「―――んん、はぁ…土方、」

「何だよいきなり。発情期か?」

ニヤニヤしながら聞いてくる土方を無視して、さらに誘惑してみることにした。
くらえ、バカヤロー!

「土方、………もっと、して」

土方の膝に乗っかり、首に腕を回して、若干上目遣いにすればほら簡単。
茹でたこ土方の出来上がり。

「顔、真っ赤だけど?」

「てめっ、……ああもう!知らねぇぞ!」

「えっちはダメでーす。ちゅーだけしてほしいの」

「あ゙!?」

「甘味処、連れてってくれんだろ?」

「……わかったよ」

腰に手を回して、後ろ髪を優しく梳きながら、触れるだけのキスをしてくれる。



土方、もっとかまって、
甘えさせて。

お前からの愛がほしいんだ。



end.


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