short

□heart beat
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heart beat





お前の胸から、
ドクドクときこえる鼓動に、
ああ 生きているんだと、
安心する。

重なりあった自分の胸からも、
ドクドクと脈を打つのがわかり、ああ 生きているんだと、
確認した。


今、この首に手をかけて、
どんどんと体重をかければ、
お前は死ぬのだろうか。
今、このドクドクと鼓動を続ける左胸に、刀を突き立てたら、
お前は死ぬのだろうか。







「ひじ、かた?……なんだ、まだ殺してなかったの」

「…っ、ぎ、ん?」

「眠ってる間に殺してくれればよかったのに。本当にヘタレだね」

「おま、知って…」

「またチャンスやるからさ、もっかい、セックスしよう」



ああ、お前は知っていたのか。

俺が任務を遂行できなければ、明日にも真選組が処罰されること、俺が白夜叉を殺そうとしているのも、それができずにいるのも。


俺が死ぬことは許さないくせに、自分が死ぬことは許すのか。



「ねぇ 土方、死ぬほど気持ちいいセックスをちょうだい」





その言葉で、
俺の心臓は止まった。



end.


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