皆の太陽だったあの人が亡くなって早5年。俺達を取り巻いていた哀しみの色は、たった5年の間で随分と薄くなった。
だけど、土方さんだけは違った。
妻子を持った今でも、あの人の目にはずっと輝きが戻らないまま。そのことをあの人の奥さんは気付いていたが、ただただなすすべもなく項垂れ、佇んでいるだけだった。
それもそうか。
俺達みんなにとっての、土方さんにとっての、“太陽”だったあの人の代わりなんて居るはずがねぇ。
それでも、土方さんはあの人を忘れようとした。妻子のため。周りの皆のため。そして何より、あの人を想いすぎて壊れていく自分のために。
その結果が、今のあの人だ。
土方さんはあの人を忘れることに失敗したのだ。だから、あの瞳には、もう何も映らない。夢も希望も何もかも。
太陽みたいに笑うあの人は、あんたにそんな風になってほしくて、あの言葉を残したわけじゃねぇのに。
『お前は、これから所帯持って、ガキ作って、』
『ガキにデレデレで、奥さんに頭上がんなくて、………そうやって当たり前に生きてくんだ』
ただ、しあわせに生きてほしかっただけなのに。
あんたの幸福を願ったのに。
「気付いて、くれませんかィ」
ポンッと押せば、今にも崩れてしまいそうな頼りない土方の背中に問い掛ける。
「あの人の想いを無駄にしないでくだせぇ、土方さん」
なぁ、
聞いてますかィ…?
切実な想いさえ、もう届かない。
(なぁ、沖田君よぉ)
(もし、俺が土方の隣から居なくなった時はアイツのこと宜しくな)
(お前がきちんとアイツの尻ひっぱたいてやってくれよ)
(な?)
end.
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rainちゃんが『サヨナラ、愛しい人。』のアナザーを書いてくれました(^O^)!!
「サイトに載せてもいい?」と聞いたら快くOKしてくれて、その上書き直しまでしてくれました!なんていい人なの(>_<)!!
さすが榛名の旦那さまwww
愛してる\^ε^/チュッ←
それにしてもすんっっっばらしいですよね!!
榛名は土銀の関係を見守ったり邪魔したりする総悟が大好物(←)なので沖田目線を書いてくれてすっごく嬉しいですw
本当にありがとうございました!