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□“あいされる”ということ
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“あいされる”ということ





パンッ パンッパンッ!

「「「誕生日おめでとう!!!!」」」


軽快な破裂音と共に、嬉しい言葉が掛けられる。
家に帰っていないはずの新八と、時間に関係なく用があったら呼び付けるはずのお妙。ぐっすり夢の中のはずの神楽に、それに寄り添って寝ているはずの定春。そして下の店で営業しているはずのお登勢、キャサリン、たま。

メンバー勢揃いで俺を祝ってくれたのはわかった。
――だけどよ。

「……今何時だと思ってんだコラァァァァァァァァ!!」

ただ今午前0時を回ったところ。誕生日すぐに祝ってくれたのは素直に嬉しい。そりゃあな?銀さんも人間だから、大事な奴らにこんなことされたら喜ぶよ。けど、けどな?寝てる奴をクラッカーで起こしてまでしなくていいんじゃねぇかな!!

「すみません銀さん。さすがにクラッカーはやめようって言ったんですけど…」

「何ヨ。せっかくお祝いしてあげたのに。感謝の言葉が聞こえないアル」

「痛い痛い痛い!!神楽ちゃん痛い!ちょー嬉しいから足の甲抓らないで!」

「私だってわざわざ仕事を休んだんですよ?本当なら今頃ストーカーにドンペリを貢がせていられたのに」

「頼むからお前もその薙刀しまってェェェェェ!!」

怖い二人に脅されながらも、なんだか空気は和やかで。襖の先に見える居間にはケーキや豪勢な料理やダークマダーが並んでいた。
俺は新八が用意してくれた胃薬をすぐに飲んだ。

「ケーキは餓鬼共が作ったんだよ。……愛されてるじゃないか」

「ババァ……」

「オ登勢サンニタダデ料理作ラセルナンテ何様ナンダヨ!」

「てめぇその耳取って団地妻にすんぞ!てか何しに来た!」

『銀時さま、お誕生日おめでとうございます。これプレゼントの油です。』

「…お、おぉ、悪ぃな。料理するときにでも使うわ」

祝われてんだか、けなされてんだか、それでもこうやって集まってくれたのが嬉しくて、ガラにもなく泣きそうになる。

「銀ちゃん!早くケーキ食べるネ!全部食べなきゃダメアル!」

「僕ケーキ作りなんて初めてで戸惑いましたけど、なかなか上手にできたんですよ」

「……ん、ありがとな」



砂糖が残ってジャリジャリいう生クリームのケーキも、酒の肴みたいな料理も、みんなうまかった。(さすがにダークマダーは腹痛くなったけど)
お腹も満腹でその後はみんなで雑魚寝。両脇にいる新八と神楽を見ると、本当に幸せだなぁ、なんてガラにもなく思ったりして。
幸せを噛み締めながら眠りについた―――――




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