SHORT STORY
□密会【ジュニョン編】
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「ジュニョン!月が綺麗だよー。」
「ふーん。」
「こっちにおいでよ〜。」 「やだ。」 「もうっ!韓国の寒さで鍛えられてるでしょ!」 「寒さは鍛えらんないの。」 「…ジュニョンのバカ!」 「あはっ。」 ベランダから見る満月があまりにも綺麗だから一緒に見たかったのに、ジュニョンはベッドの中から出てくる気配すらない。 私は意外とこのキンとした寒さが好きで、バスローブのまま夜空を眺めていた。
「いつまで見てんの?風邪引くよ。」
ジュニョンがやっとベッドを抜け出しベランダ近くのソファに腰掛けながら言った。
「もうちょっとだけ。」
私はジュニョンが甘えたいということも分かっていたが、あえて拒んでみた。
ベランダに出てこない罰だ。
―ジュニョンとはいわゆる不倫の関係で、もう半年が過ぎた。
10歳も年上の私となんて、しかもこういう関係だし初めは不安でいっぱいだった。でも次第にジュニョンと私は本気で惹かれ合うようになっていった。
ジュニョンは想いを伝えるのが下手だけど、本当は優しくて純粋だとすぐに分かった。
口は悪いけどね。
「そろそろ入ろっかなー。」
あんまり待たせて拗ねられたら面倒だし、部屋の中へと入った。
「あれ?ジュニョン??」
確かにさっきまでソファにいたはずなのにいなくなっている。
「ジュニョ〜ン!どこ行ったのー?」
部屋を歩いてみると微かにシャワーの音がした。
なんだ、ここにいたんだ。
私はドアを開け、浴室の扉越しに声をかけた。
―コンコン 「ジュニョン!中入ったから早く来て…わっ!!」
いきなり浴室の扉が開いて目の前にいたジュニョンに腕を引っ張られ中へと入れられた。
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