戴き物のSS
□冷たい手
3ページ/7ページ
翌日クリフトはまた体調を悪化させた
アリーナはクリフトの体調を悪化させたのが自分のせいだと思った後ろめたさと罪悪感から誰にも言えなかった
仲間たちは治りきらない身体で戦闘に参加したりしたからだと誰もアリーナとのことには気づいてなかった
アリーナはクリフトの違った一面を見れたことが嬉しかったし、自分を愛してることが実感できた
クリフトは戒律を破り、欲に負けて絶対に抱いていけないアリーナを抱いたことに罪悪感を感じていた
きっとあの夜はアリーナの気の迷いだ…多分不安定なところにたまたま仕入れた知識を試したくなった…のだと…
第一アリーナはクリフトを好きなのではなくたまたま近くにいた自分を支えた年の近い異性が自分だというだけ
いずれ高貴な身分の家に嫁ぐアリーナの処女を奪い傷をつけた罪は深い…
どんなに愛しくても欲しくても…触れてはいけないものだったのに
クリフトは更に神への信仰を強めていった
贖罪の祈りを捧げるため
アリーナは恥じらいからクリフトを誘うことは出来ず、クリフトはアリーナを傷つけないようにするため表面的には仲間に戻った
そんなある日の夜、次の目的地まで歩いていたら強い敵に出くわしてクリフトとアリーナ以外力つきた…町までは遠くキメラの翼は品切れ
体力を回復させるため比較的敵の気配がしない場所にパトリシアを止めて朝を待つことに
「…クリフトは寝て…魔力回復してザオラル使わないと…」
「ありがとうございます…姫様も眠ってください……」
互いに気を使う…
しばし気まずい沈黙…
やがて意を決したアリーナが口を開いた
「クリフトは…その…あの夜のこと…嫌だったの?」
「嫌とかそんなことは…」
「だって…最近前よりよそよそしいし…」
薄暗い馬車…力つきた仲間たちはこの会話を聞けるはずもないが、万一…とか考えたらクリフトは気が気でなかった
悩んだ挙げ句…
「…明日…の夜…部屋に…参ります…そこで…話します…」
「今じゃなきゃ嫌!!」
アリーナはクリフトに抱きついて押し倒した
「姫様…おやめください…このような状況では…」
何とかしてアリーナをとめたいクリフト
「倒れた仲間たちがいるなかでは…やはり…」
「…あなたはわたしより皆をとるの?」
「違います…」
「なら…あの夜みたいに…誰にも見せたことない…あなたが見たい」
そう呟いて…アリーナはクリフトの服を脱がしにかかる…
その時アリーナは普段ではありえない光景を目にした
アリーナの力をねじ伏せて逆にアリーナを押し倒したクリフトがいた
その手は冷たかったのが熱をおびている
「…どうしてあなたは私を…困らせるのか…」
「クリフト…?」
「私がどれだけあの夜から贖罪と欲望でおかしくなりそうになりながら我慢していたか…」
そう言ってクリフトはアリーナの服を脱がしにかかる…その目は完全に一人の雄になっていた…
アリーナはびっくりした…
「クリフト…?」
その時…
「…ん…」
誰かが気がついたらしい…クリフトの手は再び冷たくなり声の方へいった
マーニャだ
クリフトは残り少ない魔力でホイミをかけてルーラで街に戻り、教会にいき、宿屋で皆爆睡した