戴き物のSS

□夢を持って
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『夢をもって』






「・・・私、負けてしまったのね。」


武術大会に出場したアリーナは、割り当てられた部屋のベッドで目を覚ました。 

「・・・私、負けてしまったのね。」


再度呟く。 

腕で顔を隠し、涙を堪えた。 



「・・・姫様。」


ブライは、掛ける言葉がみつからない。 

強さに自信のあったアリーナ・・・いや。
父親のように「予知夢」の力もなく、ただ一人の後継者だが女として産まれ、 アリーナには、強さしかなかった。

そして、この旅の中で、色々なことを経験し、
解決することでまたその強さに、自信をつけてきた。

それが今、初めての敗北を味わっている。 

・・・変われるものなら、変わってやりたい。 



「こんな時に、あの阿呆はどこに・・・。」



あの阿呆なら、姫様を慰めることができるだろうに。

一体、何処へいったんじゃ・・・。





「・・・私、モニカを助けることが出来なかった。」


なおも自分を責め続けるアリーナに、ブライはそっと駆け寄り、頭を撫でてやることしかできなかった。 


・・・その時。 




「・・・姫様!!」


クリフトが山のような「薬草」を抱えて、部屋に飛び込んできた。

「バカたれが!もう、姫様の傷はお前のホイミで癒したであろうが・・・!!」

「いいえ、違います!姫様、これをお持ち下さい!そして、もう一度、挑戦して下さい!!」




「・・・え?」


アリーナは涙を拭き、ベッドから起き上がる。 


「でも、だって・・・。」


クリフトの顔を半信半疑で見ながら、薬草を受け取る。 



「今、協会に掛け合ってきました!薬草を使っても、良いそうなのです。そうと知らずに、準備不足のまま送り出してしまった私をお許しください。」


「・・・・・つまり、どういうことなの?」



クリフトはアリーナの肩に手を置き、熱く励ます。


「先ほどの敗戦は、協会の説明不足と私の準備不足、姫様に落ち度はございません。なので、もう一度!!姫様、頑張って戦ってきてください!!」


「・・・クリフト。私、また、戦えるの?」
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