捧げもの
□問題は1つもない
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カチッと放送のスイッチを押す
校内全体放送のボタンを押しマイクを手でポンポンと2回叩いてきちんと放送されるか確認してから用件を響かせた
『沢田綱吉、至急応接室にきなよ。5分以内に来なかった場合僕への挑戦状として受け取るから』
じゃあね
と最後にいれるとガラッと扉の開く音がし目を向ける
「こんにちは恭弥」
「なんのよう」
「恋人を訪ねるのに理由がいりますか?」
クフフと笑う
恋人という言葉は雲雀の目を丸くさせ頬をほんのりピンクにさせた
「すぐ赤くなって…可愛いですね
…ねぇ恭弥、付き合ってもう大分たつのですからキスくらいしても良いでしょう?」
「ば…馬鹿じゃないの。いやだよ」
「何故です?」
…恥ずかしいから
なんて言えばからかうんだろどうせ
なんて考えているとバタバタと足音がし少しして乱暴に放送室のドアは開かれた
「ひ、雲雀、さん!!」
余程急いできたのかはぁはぁと荒く呼吸をし焦った表情で続けた
「放送!入りっぱなしです!!」
放送、入りっぱなしです
放送入りっぱなしです
放 送 入 り っ ぱ な し で す ?
リアクションをとる間もなく放送のスイッチを切る
あぁほんとだ確かに入りっぱなしだ
だが時すでに遅し
先程までの骸との会話は病欠という4人を抜かして全校生徒が聞いたということになるわけだ
唯一雲雀達の関係を知っていた綱吉はどうしようかと困惑の表情を浮かべていた
「…骸、雲雀さん、どうするんですか…?」
先程と違う汗
冷や汗だろうか
綱吉はそれを手で拭う
「…どうしましょうか」
「…どうしようか」
「…どうするんですか」
3人とも心中穏やかではなかった
ふいにドアの向こうから数十人はいるであろう
ガヤガヤと声が聞こえた
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