カプリシオとカントリー
□序章
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新八と神楽が来てみると。
「あ、銀ちゃん」
愛子に潰され突っ伏している、万事屋オーナーの坂田銀時だった。
愛子は気付いていないようだ。
「うぅ…いったぁ…」
「…あのぉー、すいませんけどどいてくれません?」
「………!!!誰か踏んでる!!!」
下をパッと見た愛子は、じわじわと顔が火照っていくのを感じた。
(銀さんが下にいるッ)
「ごめんなさい銀さん!!!」
「いや別にいーけど、ってか何で俺の名前知ってんの?」
怪訝そうに尋ねる銀時に神楽が答えた。
「家に不法侵入してたアル。なんか私たちの名前も知ってたネ」
「……いや、あの、私は」
「ああ?不法侵入?とりあえず中で詳しく聞くか。おら、行くぞ女子高生」
「え?あの、ちょ、ぇえぇえ」
愛子はズルズル引きずられながら中に入り、結局嘘が思い付かず本当のことを話した。
「私は妖精さんに別の世界からこの世界に連れて来られました」
「「「…………」」」
三人は愛子に疑わしげな目を向けた。いきなり異世界から来ましたとか言われて信じられるはずがない。