カプリシオとカントリー
□序章
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「……………」
「……………」
「……………」
「わうん」
気まずい。
なんかよくわからないけどとにかく気まずい。
(沈黙に耐えられない……というかこの場合ちゃんと違う世界から来たとか言ったがいいのかなぁ。それとも適当に嘘つくべきか……。ん、なんか腰にあると思ったら刀と鎖鎌がある。なんかコレ見たら明らかに私不審者じゃない?)
考え事をして明らかにボーッとしだした愛子に新八がようやく口を開いた。
「万事屋になんか用があって来たんですか?」
「…………」
「…聞いてます?」
「…………」
目の前で手をふるが全く反応を示さない。かなりボーッとしているようだ。
「ちょ、何なのこの人」
「お前の影が薄いからヨ、ダメガネ。
おーい聞いてるアルかー」
「…………」
反応がない。
「………………………ホァチャァァアアア!!!!!」
ドゴォッッ
「うぐふッ」
「どぅぐおッッ!?」
自分にすら気付かない愛子に苛立った神楽は思い切り愛子を蹴り飛ばした。玄関まで吹っ飛んだのは愛子だけのはずだが、別の人間の呻き声も聞こえてきた。