カプリシオとカントリー
□序章
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「愛子!昨日銀魂見た?」
「ん。見たよー、とりあえずヤバかった」
「だよね!!俺かなり笑ったしっ」
登校中の何気ない二人のアニメ話。
これはいつもの光景だ。無月 愛子と彩賀 水由樹はクラス公認のヲタクである。
不意に水由樹が携帯に付けた銀魂のストラップを見つめた。それにつられ、愛子も自分の携帯に付いたストラップを見る。
水由樹は真選組、愛子は万事屋のストラップを付けていた。
「あーぁ……銀魂の世界に行けたらな…」
「水由樹いっつもそう言うねー。まあ私も行きたいけど」
これもいつもの会話。
現時点では二人とも、いつもと違うことが起こるとは欠片も思わなかった。