☆綺羅星☆

□男の子と少年。(スガタク)
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「えーん…、えーん…」

一人の男の子が泣いていました。



「ひっ、く…うう…」



男の子は泣き続けました。



そこへ一人の少年がやって来ました。



「大丈夫かい?どうしたの?」
「………?」



男の子は降りかかってきた声の方を向きました。いや、見上げるといった方がいいでしょう。



「お兄ちゃん…、誰?」
「僕?僕は、闘う者かな?」
「闘う…?」



男の子がその少年をみてみると、


「お兄ちゃんの髪、綺麗だね」
「 髪? 」



その少年の髪は真っ赤に燃える紅い髪に前髪の所は黄色い黄色の髪をしていた。


「お兄ちゃんの服派手だね」
「あはは、そうかもね」



少年の服装はまるで騎手のような格好で、ぱっと見て輝いているように見えた。
少し逆光のせいで眩しいのかもしれないのですが。



「お兄ちゃんは、この島で見掛けない人だね」
「そう?」
「うん…、見掛けない…」



少年は男の子にむかって手を差し伸べた。



「そうだ、君の名前を聞いてたかったね。なんてなまえ?」


少年と男の子は手を繋ぎながら海の浜辺を沿ってゆっくりと歩いていった。



「僕の名前は、シンドウ・スガタ…」
「スガタか…、うん、いい名前だね」
「…………」


少年が歩くたびに、長い真っ白いコートがなびく。



「……? どうしたの?」


俯いた男の子…、シンドウ・スガタは苦しそうに顔を歪ませた。


「僕は、この名前が嫌い…」
「……?」


歩んでいた足を止めて、スガタは少年の手を強く握った。



「この名前は嫌だ…。だって、辛いよ…こんなの…」
「…そう、なんだ」



スガタは眼に涙を浮かべて、ポロポロと泣き出してしまった。



「でも、ね、スガタ」
「………?」



ポロポロと泣いているスガタの前に、少年は膝立ちで真正面から向き合いました。



「名前がなんであろうと、君は君…だという事に変わりはないだろう?ん?」
「…………」


少年はゆっくりとスガタを優しく抱きした。


「人は皆、所詮同じ生き物なんだよ。スタ、…って名前が嫌いでもさ、その名前に影響されて何もかもが全てが変わってしまう事はないだろう?
 でもそれはまず自分を信じていないと。

 たとえ変わったとしても、君を愛してくれる友達もいるだろう?
 たとえ君が"王"でも、スガタが自分の名前が嫌いでも僕は、今のありのままの君が好きだよ」

スガタは両手でごしごしと涙を拭き取ると、

少年が自分を抱きしめてくれているように、スガタも少年を抱きしめ返しました。



「自分自身を信じてみない?スガタ。君は君自身の何者でもないんだから。辛くても、
 きっと何年後かに、来るさ…、そして、また会える。必ず。だから、信じて?」

「………お兄ちゃん?」















抱き締めていたはずの少年は、いつの間にか、スガタの傍から居なくなっていました。










「お兄ちゃん…?」







スガタはしばらくその場に立っていました。
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