☆綺羅星☆
□この熱は。(スガタク)
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「あれ?タクトはこっちの方の部屋?」
「う、うん…そうだよ」
参ったなぁ…。
寮の中を歩いていたら…、
「あ…桜」
最初にこの寮にきた時も、今も、ここの桜は相変わらずきれいだった。
「懐かしいね。もうずっと昔からここにいたって感じがするよ」
「クスクス、そう?」
「うん、そんな感じ」
…なんとか頬の熱さは消えたな。
…はぁ、どうしたんだろ俺…。
「ほら、何処だっけ?タクトの部屋は?」
「あ、こっちこっち」
そう言って俺は階段を登りはじめた。
「もう先生には連絡入れといたから大丈夫だぞ」
「ん〜ありがと…、っていつの間にっ?!」
「え?さっきしたばかりだけど?」
「早っ?!」
え、ずっと一緒にいたよね?!
…あー…。でもなんか本当に熱くなってきたなぁ…。
やべ、マジで頭痛くなってきたな。んー…ぼぅっとしてきたぁ…。
「…? 本当に大丈夫なのか?」
「…やっぱだめそう↓」
「全く、素直に言えばいいんだよ。…心配するだろ(ボソッ」
「ん?なんか言った?」
「なんでもないよ。ちょっと、足ふらふらしてないか?」
「へ?」
…ふらふらしてる?
んん〜?
「…ちょっと動かないで、よいしょ」(ヒョイッ)
「はひっ?!えええっ?!」
あわわわわっ?!
ここここれってあの?! ひ、姫様抱っこ?!
え?!え?!
「な、何すんだよ?! やっ…?!やめろよ?!」
「だってそんなふらふらしてたら危ないだろ?だからこっちの方が安全だろ? あ
、こら暴れるなよ」
「いや暴れるでしょ?!普通は!! だって男が軽々姫様抱っこだよ?!恥ずかし
いって! 嫌だって!」
だって本当にそうだってさ! さっきのこうかおんきいたっしょ?!ヒョイだよ
ヒョイ!!?
男として恥ずかしいでしょ?!
「安全第一」
「そういう問題じゃないでしょ?! ひゃわ?!」
そうしてスガタはタクトを姫様抱っこしたまま部屋に向かい始めた。
「(頭も痛いけどなんなんかなぁ…。…………うれしい…?…の、かな…。変なの)
」
誰もいない静かな寮はスガタの足音だけが響いた。
「…あつ」
「大丈夫か?」
「ちょっと…、寝ていい…?」
「…どうぞ」
そう言って僕はスガタの腕の中でゆっくりと深い眠りについてしまった。