夢.

□拍手1
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「コラ。そんなにぐうたらしてると太るよ?」

「な!?ひどーい。カカシさいてー。」

「はいはい。」

くそう。
全然こたえてないな。

私は寝転がって雑誌を読んでいた。
カカシの言葉にしぶしぶ起き上がり、雑誌を閉じる。

「じゃあ、どっか行こうよー。」

「オレ疲れてんの。友達と行ってきたら?」

このやろう。
カカシと行くことに意義があるのに。

「どっか行こうよ〜。」

負け時ともう一度お願いしてみる。



必殺!!上目遣い!



「ね?」

「ヤダ。」

即答!
全然効いてないし!


「っち。」

「え、今の舌打ち?オレの空耳?」

「さぁね。」


ふん、と鼻をならし私は立ち上がる。


「じゃー出かけてくるから。」

「ん。行ってらっしゃい。」

「…カカシなんてハゲてしまえ。」

ボソリと呟いた。
後ろで目を丸くしているカカシが想像出来たが、あえて無視する。

「オレはハゲてないよー。」


うるせー。もう知るか。


**********************



とりあえず、家を出てきたものの。

あいにく今日は平日。

みんなは仕事。

私は一人。


ちーん。


「はぁ。何しよう。」

とぼとぼ歩いていると小川が目の前に見えてきた。

周りには咲きかけの桜。

「花見でもするかな。」

そう思い、近くにあった店でカップの日本酒を買ってきた。


とりあえず、桜に乾杯!


桜の木に酒を掲げて一口。

「くぅー。うまい!」

爽やかな風に吹かれながらの花見。

まぁまだあんまり咲いていないけど。


カカシと見たかったなぁ…


はー、とため息をつく。


そのとき不意に肩を叩かれた。

ぷに。

「げ。」

しまった。
古典的なやつに引っかかった。
私の頬に指が刺さっている。

「なーに一人で花見してんのよ。」

「うるさい。カカシこそ何でここにいんのよ。」

「んー?お前の心の声が聞こえたからさ。」

「っぶ、ばかじゃないの?頭大丈夫?」

「お前ね、まぁ散歩だよ散歩。」

「散歩、ねぇ。」

うそだ。絶対。

だってカカシの手には私の上着があるんだもん。



「ん。」

「…ありがとう。」

素直にそれを受け取り羽織る。


「桜、満開になったらまた来ようか。」

「ホントに?」

「ホント。」

「じゃあ、楽しみにしといてあげる!」

「あげるって何でお前が上から目線なのよ。」

「いーの。気にしない、気にしない。」


次ここに来るときはきっと満開であろう桜を
二人で眺める。


「へっくしょい!」

「あー、風邪ひいたんじゃない?一人で花見なんてするから。」

「うるしゃい。っくしゅん!」

「仕方ないから看病してあげるよ。」

私を抱き上げて立ち上がるカカシ。

「え。ちょ、ちょっと!」

抗議する声も空しくカカシはその場で瞬身の術を使った。

「私の酒ーーーー!」

飲みかけの酒が寂しくその場に残された。



おわり

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