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□風紀委員のお仕事
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そういうところです。
というのをさすがに先輩に言うのは躊躇われたのでとりあえず謝っておく。
「すいません…っ」
「別に、いい」
そう言った先輩の顔がまだほんのり赤く、ついまた笑みがこぼれる。
「先輩ってもっとクールなイメージがあったので…意外で、」
そう答えると斎藤先輩は訝しむような顔をする。
「クール…、俺がか?」
「え、あ…はい」
すると先輩はなんだか眉間に皺をよせて考えこんでいる。
やはりそういうのは見た目に問題が…、とかブツブツ聞こえてきた気がするがあえて突っ込まないことにした。うん、よく耐えた わたし。
「………」
なんだか先輩も考えることがいろいろあるようだし、この隙に逃げ…じゃなくて先輩の邪魔にならないようにそろそろ教室に戻ろうかな、と考えた千鶴は先輩に気づかれないようにそろり、そろりと斎藤から離れていく……………………………………………………………………が、腕を掴まれた
「何処へいく。」
「あ〜…トイレです」
笑顔で答えてみる。
「嘘をつけ」
う…、でも必死に抵抗を試みる
「う、嘘じゃないですよ!朝から我慢してて…、」
「大丈夫だ、お前ならば我慢できる」
「…それ、どういう意味ですか?」
そんな押し問答をしながらも斎藤先輩はわたしを職員室に引きずっていく、あぁ、誰かタスケテ
「職員室に行けば恐怖でトイレに行く気もなくなる。」
え〜……、いまなんて恐ろしいことをさらっと…………
「やっぱり先輩はクールです、冷たい人間です」
「…………、」
悔しくて先輩に嫌味を言うと、少しショックを受けたような顔になった。
「…クールで構わん、」
そんなことを言う先輩が微笑ましくて、職員室の恐怖も忘れ、やっぱり斎藤先輩って意外に可愛いところもあるんだな〜 とか斎藤に引きずられながら考えていた千鶴だった。
このあと職員室で土方先生にこってり絞られたのは言うまでもない。