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□風紀委員のお仕事
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パッ
いきなり引かれていた手を離されてバランスを崩す。
「わっ…」
「…!」
ドンッ
千鶴が急に止まったため、後ろから走っていた斎藤がぶつかりそうになり、止まろうとしたが 本気で走っていたため急には止まれず、千鶴とぶつかる。
「じゃあねお二人サン」
それを見た沖田は計画通りと言わんばかりの顔で二人を残して走り去って行った。
「痛った…」
くっそあの×××っ とか乙女にあるまじきことを思いながら千鶴が立ち上がろうと顔を上げると
「……くっ」
目の前に斎藤先輩の顔があった。
「え…っ」
なななななな、何がどうなっ…
千鶴が慌てて自分の状況を確かめると、なぜか自分の上に斎藤先輩がのっかかっている状態になっている。おそらくさっきぶつかったときに走っていた斎藤先輩が止まれずこうなったのだと思われる………が、さすがに近い、距離が近い
「…ん?………っ!?!?」
斎藤先輩もようやく今の状況に気がついたらしく驚いた顔で動きが制止している。
「あの、先輩…」
「なななっ、なんだ…っ」
わたしが話かけると過剰に反応して返事をする。
「とりあえず、どいてくれませんか…?」
「…っっ、す、すまない」
斎藤先輩はとても恥ずかしそうな顔をして飛びのくように私から離れた。顔が真っ赤である。
「ぶっ…」
そんな斎藤先輩を見ていると、恥ずかしい気持ちも消えて…つい吹き出してしまった。
「な、何故笑う…」
まだ真っ赤な顔で視線をそらしながら先輩が問い掛けてくる。