BOOK
□本当の気持ち
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学校について授業が始まってからも二人が気になってあまり集中できないでいた。
凌さん…どうしたんだろ… 二人が喧嘩するなんて珍しいなあ〜、あれ?でも伶くんは別に怒ってなかった…よね?
そんなことを考えていると、授業も終わり昼休みになったので、お弁当を持ってきてなかった沙弥は昼食を買うため購買に向かった。
すると前方に孤邑くんの姿を発見した沙弥は彼に駆け寄る
「孤邑くん!」
彼はこちらに気づくと笑顔で手を振ってくれた
「あれ〜、沙弥先輩、 購買ですか?今日は大蛇先輩に愛妻弁当は作らないんですか?」
意地悪そうな顔をした孤邑くんがわたしに話し掛けてくる。
「あ、あれはっ、ただわたしの料理を上達させるために凌さんが協力してくれてるだけ…で」
必死に反論したがニコニコ笑う孤邑くんと目が会うと、語尾が小さくなってしまう…、うぅ
「じゃあ今日は弁当を作る時間がなくて購買に買いにきたと、」
「う、うん…」
「じゃあ大蛇先輩も弁当ないから今日は購買なんですね〜」
「あ…、申しわけないです」
そうだ、凌さんにお弁当作れてないってメールしなきゃ、
「じゃあ大蛇先輩がくるまえに、ここから俺と逃げちゃいましょうか」
「え…」
わたしが凌さんにメールしよう、とか考えている間に孤邑くんが強引にわたしの腕を引いて購買とは反対方向に進ませる。
「ちょ、孤邑くん!?」
「あ、大丈夫ですよ〜、僕もうパン二つ買いましたから、先輩の分もありますよ」
「そうじゃなくて…」
反論しても無駄だと思った沙弥は大人しく孤邑に手を引かれるまま歩きだした。
それに孤邑くんに連れられるままどこかに行くのも楽しそうかもしれないなんて思ってしまったのだった。凌さん、ごめんなさい、あとでメール送ります