ひぐらしのなく頃に 醉
□離別
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「沙都子ちゃんの容態は安定していますので、注射だけ忘れないで打っといて下さい。」
沙都子が圭一たちと話している間、私はいつものように入江から注射を貰う。
いつも思ってしまう。
入江が私たちの保護者になってくれたらいいのにと。
「じゃぁ、俺は帰るな。お大事に、沙都子。」
圭一は沙都子の頭をポンポンと優しく叩いて、手を振った。
沙都子は無邪気に圭一に手を振る。
「さ、沙都子ちゃんたちは後ろに乗って下さい。」
入江のお言葉に甘えさせてもらい、私たちは車で送ってもらうことになった。
隣にいる沙都子は、いつもと変わらない。
これで、良かったのかもしれない…
沙都子が私に対して苦しみを感じていたなら、
それを忘れて悪いことなど何もない。
だからこれで良いんだ…。