ひぐらしのなく頃に 醉

□扉の選び方
1ページ/14ページ






あの夕焼けの日から私は注意してレナを見ていたが、なんら変化は見られない。

ただ変わってしまったのは、私の心が激しく揺らいでいることだ。



「みーちゃん大丈夫?」


「あははっ!ちょっとバイト先から菌貰っちゃったらしくてさー!今はもう平気だよっ」


「魅音が風邪引いたから、災害でも起きるかと思ったぜ!」


「何だって〜!?」



魅音はレナの気持ちを、私の気持ちを知らない。

それが果たして良い道に導くのかは分からないが、どちらにせよ何らかの争いは免れないだろう。



「─梨花ちゃん?」


「みぃ?」


「珍しいな。梨花ちゃんがボーっとしてるなんて。魅音たちはもう校庭行ったぜ?」



今私は揺れている。


楽とか困難とか、細かいことは無しにして…

私は一番に何を望んでいるのかということ。


私は圭一も沙都子もみんな好き。


みんな好きなの。




「梨花ちゃん…?」




ごめんね圭一。


少しだから、少しの間だから、


圭一のぬくもり、僕に下さい…。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ