ひぐらしのなく頃に 醉
□扉の選び方
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あの夕焼けの日から私は注意してレナを見ていたが、なんら変化は見られない。
ただ変わってしまったのは、私の心が激しく揺らいでいることだ。
「みーちゃん大丈夫?」
「あははっ!ちょっとバイト先から菌貰っちゃったらしくてさー!今はもう平気だよっ」
「魅音が風邪引いたから、災害でも起きるかと思ったぜ!」
「何だって〜!?」
魅音はレナの気持ちを、私の気持ちを知らない。
それが果たして良い道に導くのかは分からないが、どちらにせよ何らかの争いは免れないだろう。
「─梨花ちゃん?」
「みぃ?」
「珍しいな。梨花ちゃんがボーっとしてるなんて。魅音たちはもう校庭行ったぜ?」
今私は揺れている。
楽とか困難とか、細かいことは無しにして…
私は一番に何を望んでいるのかということ。
私は圭一も沙都子もみんな好き。
みんな好きなの。
「梨花ちゃん…?」
ごめんね圭一。
少しだから、少しの間だから、
圭一のぬくもり、僕に下さい…。