ひぐらしのなく頃に 醉
□一つの過ち
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幾度も殺され、絶望し、それでも守り抜いたもの。
信じた、もの。
「よーし!!学期の始めでダラダラ感が抜けきれない諸君!!今日も部活動に励むのだーっ!!」
それは仲間。
生きて未来を得ることを諦めていた私に、希望を与えてくれた大好きなみんな。
「魅音、なんだそれ?」
「ふっふっふ…。今日はなまってしまった体を動かすために、鬼ごっこをやる。」
「鬼ごっこっつっても…、その箱はなんだよ?」
部長である魅音は、四角い箱を持って笑みを浮かべる。
夏休みは未来を得て浮かれ気分だった。
でも今私は、またこうして学校に通い、部活動を楽しんでいる。
私は生きているんだ。
「この箱には6つの玉が入っている。1つだけ入っている赤玉を引いた者が鬼。ってこと!」
「なるほど…。赤玉を引いた時点で追いかけるもよし、ただの玉を引いた振りして紛れるもよし…か。面白そうじゃねーか!」
「それだけじゃない。今日の鬼ごっこは手つなぎ鬼!チームプレイも大切の深いゲーム!!さぁ、みんな手を入れて…!」
私はこのときまだ気付いてはいなかった。
本当に浮かれていたのだった。