シリーズ

□無我夢中 〜後輩〜
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朝、目が覚めると隣には裸の男が寝ていた。

私も裸だ。


隣で寝ている彼は、この前、放課後に私に告白してきた後輩だ。





◆◇◆◇



「まゆ先輩、オレ、先輩のことが好きです!」



放課後に呼び出しっていう時点で何となく告白じゃないかとは思っていた。

知らない人だし…。
前にも呼び出されて告白された事があったし…。



「…はぁ…」



溜め息が零れた。

告白されたとしても、OKなんてしない。

何の接点もない彼に対して、私のいう言葉は決まっている。



「…ごめんなさい。私、今付き合ってる人がいるから…」

「…先輩、それって相原先生のことですよね?」

「!?」



この人何でその事っ?!



「…オレ、先輩が相原先生と抱き合ってんの見たことあるんすよ」

「…それは…」

「別に誰かに言うつもりとかないんで大丈夫ですよ」



大丈夫って…。



「…私が先生と付き合ってるって知ってるなら、何で私に告白したの?」

「…いや、だから好きだからです」

「私、あなたの名前も知らないし、喋ったこともないでしょ?」

「挨拶はしたことありますよ!あ、オレの名前すか?日々野智っていいます!1年です!」

「………」

「先輩?」

「私、今ね。先生とできなくて、欲求不満なの」

「…え?」

「セフレとしてなら付き合ってもいいよ?」

「…なつ?! えぇっ!!」



この人…。



「…セフレなんて嫌でしょ?私は先生が好きなの。他の人に本気になれないの。ていうか、ならない。だから、きちんと付き合いたいなら他の人にしときなよ。後輩くん」



これで、諦めるかな?



「………すよ…」

「ん?」

「セフレでもいいですよ?オレ、先輩に触れられんなら何でもします。」

「…へぇ、でも、私がしたい時だけだよ?後輩くんがしたくても相手しないよ?私、してる時に先生の名前を呼んじゃうかもよ?後輩くん、先生の代わりでもいいんだ?」

「構わないです!先生の代わりでも!」

「…で、でも…」

「先輩、自分から言ったんですよ?オレ、今日から先輩のセフレすね」



この人から、何もしないなら別にいいか…。



「…そうだね。私から言ったんだもんね。でも、あの人と私の邪魔はしないでね?」

「はいっ!」




◆◇◆◇



で、人肌恋し過ぎて後輩くんとしちゃったんだ。

私の根性なし。



「…先生、ごめんなさい…」



キスマークはついてないけど…。



「ばれたら嫌われちゃうのかな…」



溜め息が零れた。

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