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□無我夢中 〜夏の夕方〜
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 ある日のことでした。


 突然、呼び出しをされたと思ったら体
 育館の裏で告白をされたのです。


 “告白をされる。”

 凄く嬉しいことのはずなのに全然喜べ
 なかった。


 それは、相手が女子だったから。





 私は、産まれてから16年間れっきと
 した女の子で、好きになった人も男子
 しかいない。
 大体が片想いみたいなものだったけれ
 ど…。


 そんな私に突然、


 「私と付き合ってくれない?」


 と女の人が言うのだ。

 私は、それに


 「あの、何処にですか?」


 とマンガのように答えた。

 すると、先輩は眉間に眉を寄せて私を
 見詰めて


 「違くて、貴女が好きなの」


 私は、一瞬言葉を無くした。


 「あの、それって…――」

 「――恋愛感情だよ」


 私は、それを聞いた瞬間にフリーズ。


 「…気持ち悪いよね。でも、好きなの
 。すごく…すごく好きなの」


 先輩は、苦しそうに、切なく私に好き
 だと言った。


 苦しそうにそう言ってた。


 だからなのか、可哀相だと思ってしま
 って。

 どうしてなのか、わからないけど、


 「…秘密にしてくれるなら、いいです
 よ」


 と言ってしまっていた。


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