月とアイス

□私
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教室に着いてからも授業を受けていても集中できないでいた。

あの男子生徒と女子生徒の行為を思い出してしまい、授業どころではなかった。



――放課後、私は保健室に寄って行


「…失礼しましす。…先生?」


った。ここの学校では保健室には男の先生がいる。眼鏡をかけていてみんなからは「ダサイ、キモい、暗い」と言われまくっている。

だけど、その方が私には都合がいいのだ。


「…おぉ、七架か…。今日はどうしたの?」


この人は、この学校でたった一人の私の友達だから。


そして、たぶん私は先生のことが好き。

優しすぎるところが、鈍いところが私は好きなのだと思う。


「…今日、嫌なの見ちゃったの…」

「…ふぅーん、そんで、どんなの見ちゃったの?」

「……えっ?そ、そ、それは…」


思い出してなぜか顔が熱くなってしまう。彼は、優しい私の話し相手でもあるのだけれど たまに鈍いから困る時がある。


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