企画
□波間に眠る追憶の千代様からいただきました
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二年。長いようで短かった。
船長命令で二年間、各々パワーアップのために修行に励んだ。本当に辛い二年間だった。
でも、それも今日で終わり。明日になればまた皆に会える!
本当に、会いたくてたまらなかった。特に緑の頭のあいつ……。
なまえが一番乗りだった。
二年ぶりのシャッキーの店もその中の人達も何も変わっていなかった。
「皆は……、まだかなぁ?」
まだ船には行かないで、皆が来るであろう店の前の空き地になまえは座っていた。二年でなまえの身長はほんの少しだけ伸びて、髪型も服装も変わった。
しかし、目の輝きは二年前と変わらない。冒険にキラキラと輝く目はそのままだ。
「ん!?」
なまえはがばりと勢いよく立ち上がる。前方に人影が二つ見えた。
「二人? 誰かな?」
目を凝らしてみる。だんだんと近づいてくる二つの人影。
「え、何で?」
人影の一つは、なまえが待ち焦がれていた緑頭の男。もう一つは見覚えのある、桃色の髪の女だった。
二つの人影が近づくにつれて、会話までもが聞こえてくる。
「ほら! あれだろうがお前が言ってた店! だから言ったろ!」
「おお、本当だ」
「てめえ! 礼の一つも言えねえのか! お前が選んだ道だと反対方向だったんだぞ!?」
「不思議なことがあるもんだな」
「ふざけんな! そもそもシャボンディ諸島までだって一人じゃ無理だったくせに!」
「それは言い過ぎだろ」
どうやら口論をしているようだった。桃色髪の女が激しく捲し立てているが、緑頭の剣士は全部さらりと受け流している。
「ゾロ……。あと、スリラーバーグにいた、ペローナだっけ? 一体どんな組み合わせ?」
なまえは唖然として二人を見つめている。
「おっ、なまえだよな? 久しぶり。何か雰囲気変わったな」
「ゾロだって。片目になってるし」
まるで何事もないように、ゾロは普通になまえに挨拶をした。