ゆめのくに

□同級生/しいはし
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「ねえ海、昨日のドラマ見た?」

「あ〜見た見た!!おもろかったよね〜」

・・・

友達と一緒に歩いていく君。

こんなに近いのに遠い。

だって話したこともないし、クラスメイトでもないから。

同級生

生徒たちが部活をしてるグランド。

君の姿をつい追ってしまう。

「・・・はし!おい、椎橋!」

「・・・あ、何だっけ?」

「何って、文化祭の出し物決めてんの!話聞けよ!」

「ごめん」


「桜坂ってかわいいよな」

「え?」

「なんだよ急に」

「いや、別に」

「あいつは無理だろ」

「なんで?」

「何か告ったらしいよ、」

「だ、誰に?」

「椎橋、焦りすぎだって、」

「藤原先輩だって」

藤原先輩か…まあ、かっこいいし、優しいし


「ごめん、俺先に帰るわ」

「え、ちょ・・・」

「やっぱ言わない方が良かったんじゃねえ?」

「あいつ桜坂のこと好きなんだし」

「そっか・・・」



なんとなく気持ちが落ち着かなくて帰ってしまった。

校舎の裏を通りかかると、藤原先輩と桜坂。つい気になって立ち止まってしまった。

2人は話していて、こうしてみるとお似合いなのかな、と思ってしまう。

話が終わったのか、藤原先輩を笑顔で見送る桜坂。

でも、藤原先輩がいなくなった後、白い頬に流れる涙。きっと振られてしまったのだろう…

俺はどうすることもできずに立ち尽くしていた。

だって俺たちは他人同士。君に俺は必要ないから。


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