イチオクノキモチ【中編
□イチオクノホシの中
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深夜2時。
ここにいる男の車以外
車道に車はいない。
「もう2時かー、
収録すっかり長引いちゃったな…」
男の名は、櫻井翔。
現役のアイドル。
「どうりで眠いわけだ」
今日は収録が長引いて、
帰りが遅かったのだ。
「…」
しかし、翔は、まっすぐ家に帰る気にはなぜかなれなかった。
「…久しぶりにあそこ行ってみようかな。
学生ん時以来行ってないしな」
『あそこ』とは、
学生時代翔がよく行っていた場所で、
翔の現在の住所から少し離れた場所にある。
辺りに建物があまり建っていないので
星がたくさん綺麗に見える場所だ。
−
「相変わらず綺麗なところだなー」
学生時代こそはここに来ていたものの、
アイドルになってからはここに一度も来れなかったので、
この満点の星を眺めるのは久しぶりだった。