DISTINY

□愛に溺れる
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次の朝、目が覚めると
朝早いにも関わらず
光は合宿の荷物は置いたまま
今日も部活に行ったらしかった

"朝練行きます
荷物は帰りに取りに寄るから"

書き置きじゃなくて
メールなところが光らしい
そんなことを思いながら
シャワーでも浴びようと
洗面所へいくと
鏡に映った私の身体に
赤く残る複数の痕


『ダメ、って言ったのに。』


そう言ってみたものの
一緒に過ごした時間が
夢じゃなかった証があるのが
なんだか嬉しくて
消えなきゃいいのに…
そう思いながら
赤い痕を指でなぞった


鮮明に蘇る記憶
触れた唇も熱い吐息も
絡まる指も汗ばんだ肌の感触も…
全身に感じたのは愛だった


『逢いたいな…』


昨日ずっと一緒にいて
何度もキスをして
何度も抱き合ったのに
それでも気持ちに追い付かない

私はどんどん
光に溺れていく


.
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