DISTINY
□涙の理由
1ページ/2ページ
何となく無口なまま
一緒に歩いてやってきた公園で
光が静かに口を開く
「なんか、あったん?」
『…巧に、会った。』
「…何か話したん?」
『…たいしたことは、何も。』
嘘…
「…そうっすか。」
光は何も言わなかった
私も、それ以上何も言わなかった
「…。」
『…今日は、帰るね。』
「え?佳奈さん…」
『今日は急にごめん。
明日、あの子に謝っといてね?
…じゃあ、またね。』
足早に歩き出す
…追いかけてこないで
今、追われたら
泣いてる理由を答えられない
.